お知らせコラム

血管力アップで「動脈硬化症」予防

さまざまな病気の要因となる「動脈硬化症」にもかかわらず、動脈硬化自体には自覚症状がないため、重症化するまで気づかないケースも少なくありません。ある日突然、命に関わる病気を引き起こす。そのような事態を防ぐためにも、日々のケアで健やかな血管を保ちましょう。
自覚症状が少ないサイレントキラー
動脈は血液を全身に運び、酸素や栄養を届ける役割を担っています。心臓から押し出される血液が全身を巡る時間は30秒ほど。血流にはそれほど勢いがあるため、受け止める血管には弾力としなやかさが必要なのです。
ところが血管は、加齢とともに老化されるため、その弾力やしなやかさは自然と失われていきます。また、高脂血症や糖尿病などで血管に悪玉コレステロールが溜まったり、高血圧で血管に負担がかかったりすることで、動脈が硬くもろくなることもあります。このような状況が「動脈硬化」で進行すると、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった重い病気を引き起こす要因となるのです。
動脈硬化症は、そのものの治療法はまだ確立されていません。そのため生活習慣を改善し、血管力を高め、動脈硬化やその合併症を予防することが重要になります。その上で有効とされているのが、病気の予防に重点を置く中医学の養生法。中医学では血液や血管の問題は、「瘀血(血行不良)」の体質が主な要因と考えます。そのため動脈硬化の対処も瘀血を改善して血流をスムーズにすることが基本。合わせて、血管の老化や瘀血といった体質(腎の虚弱、気血不足、気の停滞、冷えなど)を改善することで血管力を高めていきます。自覚症状がないまま進行し、時に命を奪う動脈硬化は「サイレントキラー」とも呼ばれます。特に不調がなくても積極的にケアをして、血管を健やかに保つように心がけましょう。

動脈硬化症対策、体質改善で血管力アップ!
特効薬がない動脈硬化症の対処は生活習慣の改善がカギ。特に日々の食事は血液や血管の状態と密接に関わるので、体質に合った食養生で血管力アップを目指しましょう。
基本のケア、瘀血の改善。
サラサラ血流で動脈硬化の進行を防ぐ。
「瘀血」はドロドロ血で血脈(血管)の状態も悪く、血の巡りが滞った状態のこと。血管力が低下しているため、放っておくと動脈硬化も進行しやすくなります。瘀血を改善するためには、まず食生活を整えることが基本。飲み過ぎ、食べ過ぎに注意し、栄養のバランスのいい食事を意識してサラサラ血液を保つように心がけましょう。
気になる症状
痛みの症状(頭痛、胃痛、腹痛、生理痛、腰痛、関節痛など)、もの忘れ、めまい、手足のしびれ、しこり、シミが多い、爪や唇の色が暗い、出血症状(皮下出血、胃腸の出血、子宮不正出血など)、舌の色が暗く瘀点・瘀班がある
高脂血症、高血圧、狭心症、子宮筋腫、子宮内膜症、慢性疾患がある人など参考に。
食の養生
血をサラサラにして血管を養う
玉ねぎ、ねぎ、ニンニク、ラッキョウ、ターメリック、紅花、黒豆、黒きくらげ、ナス、小豆、海藻類、山査子、イワシ、サバなど
プラスの体質ケア
血管の老化や瘀血を防ぐ(瘀血のケアと合わせ、血管の老化や瘀血を招く体質も改善していきましょう)
①腎の虚弱体質(血管の老化が進みやすい)
生命力の源「精」を蓄える「腎」は、身体の老化と深く関わっています。動脈硬化は血管の老化症状でもあるため、腎が弱いと進行を早めてしまう要因に。腎の働きは加齢とともに衰えるので、積極的に養生をして血管の老化を緩やかにしましょう。
気になる症状
腰痛、足腰が弱い、骨粗鬆症、めまい、物忘れ、耳鳴り、聴力の低下、抜け毛、白髪、頻尿、むくみ、冷え、舌の色が淡い(高齢、慢性疾患のある人なども参考に)
食養生(気のみ、黒色、温性の食材で腎を養う)
黒豆、黒ゴマ、くるみ、松の実、クコの実、銀杏、もち米、山芋、ニラ、エビ、ナマコ、羊肉、牛肉、牛テール、杜仲茶など
②気血不足の体質(十分な血流を保ちにくい)
血流の基本となる「血(けつ)」と血を推し流す気(エネルギー)。これらが不足するとスムーズな血流を保てず「瘀血」を招きやすい状態に。また、血を運ぶ栄養も不足するため、血管を十分に養うこともできません。気血は食事の栄養から生み出されるため、日々の食事でしっかり栄養を取ることを心がけましょう。
気になる症状
疲労感、倦怠感、息切れ、動悸、めまい、不眠、食欲不振、軟便または便秘、舌が腫れぼったく色が淡い。(病後、高齢、慢性疾患などある人も参考に)
食の養生、気血を養う甘味温性の食材を。
大豆製品、米、山芋、インゲン豆、人参、ほうれん草、小松菜、クコの実、なつめ、ぶどう、竜眼肉、豚肉、鶏肉、鮭、うなぎなど。
③気滞の体質(ストレスによる血流悪化)
気が血と一緒に流れているため過剰なストレスで気が滞ると、血流も悪化して瘀血を招くように。気を巡らすのは「肝」の働きですが、肝はストレスのダメージを受けやすい臓器です。
日々のストレスはこまめに発散し肝を元気に保つことを心がけましょう。
気になる症状
イライラ、憂うつ、精神不安、不眠、ストレスで痛みの症状(頭痛、胃痛、腹痛など)が強くなる、肩こり、筋肉の痙攣、のどの閉塞感、胸の詰まり、ゲップ、お腹の張り。(ストレス過多、多忙な人も参考に)
食の養生
香りの良いもので酸味で肝を整える。
マイカイカ、ジャスミン、菊花、金針菜、セロリ、トマト、セリ、緑茶、そば、山査子、酢、レモン、梅干しなど。
④冷え体質(寒さで血行が悪くなる)
血は冷えると固まる、冷えは収縮させるという特徴があります。そのため体が冷えると、ドロドロ血や血管の収縮を招き、瘀血が発症しやすい状態に。冷房の冷えや冷たい飲食もその一因となるため、季節を問わず体を冷やさないことを心がけましょう。
気になる症状
冷え症、冷えると瘀血の症状(痛み、しびれなど)が強くなる、冷房に弱い、顔色が青白い、舌の色が淡く暗い(貧血気味、出産後の高齢の人なども参考に)
食の養生
温性、辛味の食材で体を温める
シナモン、よもぎ、ラッキョウ、八角、山椒の実、ネギ、生姜、ニンニク、ニラ、羊肉、紹興酒など。
暮らしの養生
・適度な運動習慣で血行を促進。ラジオ体操、ウオーキングなど有酸素運動がおすすめです。
・小さなことにイライラせず、考え過ぎず、ストレスを溜めない心がけを。
・食生活をしっかり見直して。栄養バランス、薄味、温かい飲食などを意識しましょう。
・肥満は動脈硬化の一因に。きちんと食べて適正体重をキープしまし よう。
・疲労の蓄積は動脈硬化につながります。睡眠を十分に取って疲れの回復を。
・スムーズな排便を保つことも大切。食物繊維の豊富なもの、ヨーグルトなどを積極的に。
(チャイナビュー306、動脈硬化症Vol197 菅沼栄先生監修の記事)

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