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腎臓からのSOS早めにキャッチ!・・・ササヘルス kiyora vol 30

新たな国民病といわれる「慢性腎臓病」をご存知でしょうか。現在、日本に約2000万人の患者がいると推定されるこの症状、放置すれば最終的に人工透析が必要となり、日常生活は大きな制約を受けることになります。正しい知識を得て、今から予防を心がけましょう。

 腎臓は、背中側の腰の上あたりに左右一つずつあるソラ豆形の臓器で、その主な役割は血液をろ過し、身体に必要なものと不要なものに分けることです。不要な老廃物は、腎臓を経て尿として体外に排出され、必要なものは体内に残されて再吸収されます。体内の水分量が一定に保たれ、血圧が調整されているのは、腎臓の働きによるものです。
慢性腎臓病とは、特定の病気を表す言葉ではなく、こうした腎臓の働きが慢性的に低下した状態を言います。発症の原因は、炎症や感染から起こる糸球体腎炎や腎盂腎炎などの病気の他、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満といった生活習慣病などさまざま。いずれにせよ腎臓病を放置すれば、老廃物の排泄や体内の水分量の調整ができなくなる腎不全に陥り、最終的には腎移植、もしくは機械を使って血液を浄化する人工透析が必要になります。人工透析は、体内の血液を人工透析膜に通して老廃物や余分な水分を取り除き、再び体内に戻すもので、週3回が標準的な頻度。1回4時間の透析を受けるために病院や専門施設に通うとなれば、日々の生活は大きく制約されることになります。
近年の研究で、慢性腎臓病は、脳梗塞などの脳血管疾患や、狭心症や心筋梗塞といった心疾患発症のリスクを高めることもわかってきました。腸のバリア機能が低下することで腸内の有害物質が血液中に漏れ出す「リーキーガット症候群」との関係も指摘されています。
 慢性腎臓病が腸内細菌を乱す原因となって「リーキーガット症候群」を引き起こし、こうして漏れ出た腸内細菌が腎臓に直接ダメージを与える、という負のループが起こるのです。
慢性腎臓病が厄介なのは、初期段階ではほとんど症状がないということです。体内の老廃物や余計な水分が排出されなければ、疲労感や貧血、むくみといった症状が現れますが、こうした症状が見られた時にはすでに病気が進行していることが少なくありません。大事な腎臓を守るには、検診による早期発見が不可欠です。血液検査や尿検査で腎機能の数値の異常を指摘されたら、早期に専門の病院を受診しましょう。
また、普段の生活で、尿の他や泡立ちが気になる、疲れやすい、むくみを感じる、息切れするといったことがあれば、腎機能の低下を疑い、病院で診断を受けることをおすすめします。生活習慣病の予防も大切です。普段から、運動の習慣化、こまめな水分補給、禁煙、ストレス解消、バランスの良い食事、減塩、飲酒量の抑制などを心がけましょう。
監修 溝尾朗(患者の目線クリニック虎ノ門院長)
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