東北大学の角田洋一講師らは、日本、中国、韓国の合計14,000人以上の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)患者の遺伝子解析したと発表しました。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性疾患は国の指定難病となっており、国内で29万人以上、世界では600万人以上の患者がおり、治療薬の開発などもこれらのデータが参考にされてきました。しかし、人種によって遺伝的な背景が異なるため、欧米の研究結果がアジア人にはあてはまらないことがよくあったそうです。
今回の研究では、東アジア人の炎症性腸疾患に特徴的な80か所の感受性遺伝子が認定されたほか、欧米人とも合わせた人種横断的な解析では新規に81か所の遺伝子を発見したそうです。これにより、個人ごとの病態変化の予想や適切な治療法など難病治療の進展につながることが期待されます。