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遠志について・・・コタロー漢方通信

遠志について
生薬「遠志」は、ヒメハギ科(Polygalaceae)イトヒメハギPolygala tenuifolia Willdenowを基原としております。ヒメハギは 5 月~7 月頃にかけて薄紫色のきれいな小花を咲かせる多年草で、中国においては東北から西北まで広く分布している植物です。『第十八改正日本薬局方』では、イトヒメハギの根又は根皮と規定されており、屈曲した細長い円柱形又は円筒形を呈し、主根は10~20 cm、径0.2~1cm、ときには 1~数個の側根が付いているものとされています。『第十六改正日本薬局方』までは、薬用部位が根であると規定されていましたが、遠志は芯を除いた肉厚のものが良品とされ、芯が除去された円筒形の根皮のみの生薬も市場に流通しています。『第十六改正日本薬局方第一追補』では、市場の実態に合わせて薬用部位に根皮が追加された経緯があります。日本薬局方にて根皮を薬用部位とする生薬として、地骨皮、桑白皮、牡丹皮があり、『日本薬局方外生薬規格』にはタラ根皮、李皮があります。これらの生薬に比べてイトヒメハギの根は細く、市場には芯を残しているものや一部だけ芯を抜いたものが多く流通しています。芯を取り除く作業は、根が乾燥する前に実施されますが、抜いた後の乾燥工程でカビが発生する恐れがあり、弊社では生薬の購入前の検査や輸入前のサンプリング検査、工場入荷時の受入れ検査を徹底しております。遠志が配合されている処方には帰脾湯があり、体も心も弱り、精神の疲れを感じている方や眠りが浅い方、諸出血などによる貧血の症状に用いられます。これらの症状は、東洋医学的な所見から心血虚と脾気虚の2つが併存する「心脾両虚」といわれ、この症状を改善する処方が帰脾湯です。梅雨時期となり、日頃の疲れが出たり、精神不安を感じている方も増えてくることと思います。ぜひ帰脾湯をご活用ください。

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