一種類の生薬にもいろいろな働きがありますが、いくつかの生薬が配合された方剤になるともっとすぐれた効果を発揮します。四物湯、婦宝当帰膠はそれぞれ四種類、九種類の生薬から作られた、女性に優しい有名な漢方薬です。
四物湯はその名の通り、当帰、芍薬、川弓、地黄という四種類の生薬が同じ量で調合され、穏やかで、飲みやすく、血を養い、月経を調節して、「血の道」など、「血」に関連する病気によく使用されています。時代の流れとともに、伝統の四物湯をベースにして、様々な薬が開発され、桃紅四物湯、婦宝当帰膠、十全大補湯などに発展してきました。
婦宝当帰膠は四物湯の血に栄養を与え、月経を調整する効果を活かし、女性の体質に合わせ、さらに「気」と「血」を補う作用のある生薬を加えたものです。応用が広く、飲みやすく、「女性の製薬」と言われています。
婦宝当帰膠の四つの特徴
第一の特徴
成分の70%を占める当帰が血を補い、巡らせ、「補血」、「調血」、子宮の発育を促進することです。特に子宮収縮の抑制と促進という双方向に調整する働きを持っていて、その時の体調によって子宮を緩め、血流を増加させて栄養を改善し、あるいは逆に子宮を収縮しリズムを回復します。
第二の特徴
黄耆(おうぎ)を加えていることです。疲れを防ぎ、精力の回復のために当帰と黄耆の配合は非常に価値があります。黄耆はパワーとエネルギーを補充し、筋肉運動を支配しています。「目は口ほどに物を言う」という諺がありますがありますが、目は顔の表情の中で一番大切で、瞳が輝いていると、豊かで魅力的な表情を作ることができます。いきいきとした表情にも黄耆は役立っています。
第三の特徴
「要血」「止血」の働きを持った阿膠を加えることによって補血の効能を増強しながら出血を止めることです。不正性器出血、子宮筋腫による多月経、腸からの出血(便血)、痔出血などを繰り返す、血虚傾向の方の体質の改善薬として使用されています。
第四の特徴
胃腸の消化吸収を良くする党参、茯苓、甘草が配合してあることです。貧血の方には鉄剤を投与しますが、鉄剤には、むかつき、胃のもたれ、食欲不振などの「副作用」も決して少なくありません。
一方、補血剤の婦宝当帰膠の中の、党参、黄耆、茯苓、甘草は胃を丈夫にさせ、腸を整え、消化吸収を助けてくれます。従って食欲も出て貧血を早く改善します。その上に、党参、黄耆、甘草が「気」を補うことにより補血作用をさらに強めてくれます。
婦宝当帰膠はこうした四つの特徴を持ち、配合のすばらしさから、「補血」・「調血」の効能は四物湯より優れ、まさに「女性の宝、美容の宝」と言えます。


