夏の暑さ対策に漢方を
2010年以降、熱中症になる方が増えています。2024年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は97,578人でした。これは、2008年以降で最も多い搬送人数です。また、月別で救急搬送された人数を見ると、7月が一番多くなっています。特に、昨年の7月は、日本全域で記録的な高温に見舞われ、1898年の統計開始以来、過去最高の平均気温となりました。夏は始まったばかりと思われがちですが、本格的に暑くなる今こそ熱中症対策を行う必要があります。夏の体調管理に、ぜひ漢方薬をご活用ください。
漢方の活用法「夏の体調管理」
〇お出かけの前後に生脈散
夏の暑い時期、外出やスポーツをされる前後には生脈散がおすすめです。
生脈散は汗で失う「気(エネルギー)」と「水(潤い)」を補う働きが期待されます。生脈散の構成生薬は人参、麦門冬、五味子の3つ。人参で元気を補い、麦門冬が体を潤して、五味子で余分な発汗を止めます。水分補給と一緒にご活用ください。
〇暑さによる食欲不振・下痢、夏バテに清暑益気湯
夏の食欲不振や下痢は、脱水症や熱中症の引き金になる危険な兆候です。また食欲不振が続けば夏バテや夏やせにつながります。
清暑益気湯は、補中益気湯に似た処方で、食欲不振や下痢に効果があります。
構成生薬に柴胡・升麻・大棗・生姜がない代わりに、麦門冬・五味子・黄柏が加わり、生脈散を含む他、黄柏で過剰な湿と熱を除きます。さらに、黄耆の固表作用で五味子の止汗作用を強化できます。夏の食欲不振・下痢、夏バテにおすすめです。
〇軽い熱中症かも?と思ったら竹葉石膏湯
軽い熱中症が疑われる場合には、構成に石膏を含む竹葉石膏湯などが使用されています。
のどの渇き、のぼせ・熱感、微熱を伴う場合におすすめです。
〇熱中症にならないために…
・日差しがきつく、気温が高い日中はなるべく出歩かないようにする。
・温湿度計を置き、暑いと感じていなくても室温が 28°Cまたは湿度が 60%を超えたら冷房をつける。
※実は熱中症の約 40%が住居内で起きています。室内環境にも細心の注意を払いましょう。
〇熱中症になってしまったら…
・涼しいところへ避難し、水分・塩分を補給しながら身体を冷やす。
・意識障害がある場合、すぐに医療機関へ。
夏の暑さ対策に漢方を・・・コタロー漢方通信
