お知らせコラム

男性不妊・女性不妊 体質改善で妊娠しやすいカラダづくり・・・vol185

いざ妊娠を考えると、となかなか子どもができない。晩婚化に伴う出産年齢の上昇などを背景に、そんな不妊の症状に悩む男女が増えています。いつかは産みたい人も、今すぐ子どもを授かりたい人も、漢方の妊活で積極的に体質を整え、妊娠力アップを目指しましょう

不妊の原因は男女にあり、確率はほぼ半々。
 妊娠を望む健康な男女が避妊をせず性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しない場合とされています。また、現在では、男女とも加齢によって妊娠する・させる力が低下することも分かっています。女性は卵子の老化や子宮疾患のリスク増加などがその原因と考えられ、35歳を過ぎると自然に妊娠する確率は顕著に低下。男性はゆっくりですが35歳ぐらいから精子の質が低下し始めます。このように、不妊の原因は男女どちらにもあり、その確率はほぼ半々。そのため女性が主体となりがちな妊活も、2人で一緒に取り組むことがとても大切です。
・女性側の主な原因:排卵障害、卵管の異常(閉塞、狭窄、癒着など)、子宮頸管の異常(炎症、粘液分泌異常など)、子宮内膜の異常(子宮筋腫、子宮内膜症など)、免疫の異常(精子を攻撃する抗体)
・男性側の主な原因:造精機能の障害(精子の数が少ない、運動率が低い)、性機能障害(勃起障害、射精障害)、精路通過の障害(精子の通り道の閉塞)

漢方で考える妊活
男女ともに妊娠力の高い身体を作ること。それが、漢方の妊活の基本です。妊娠力の高い身体とは、体内の「精(生命のエネルギーの源)」「気(エネルギー)」「血」が充実し、気・血がスムーズに巡っている状態のこと。こうした体質と深く関わっているのが五臓の「腎」「肝」「脾胃(胃腸)」の働きです。
腎:生命エネルギーの源となる「精」を蓄える臓器。生殖機能やホルモン分泌を司り、妊娠と最も密接に関わっています。
肝:血を貯蔵する臓器で月経を促し、経血量を調整します。気・血の巡りをスムーズに保つのも肝の働きです。
脾:食事の栄養から気・血を生み出す臓器。妊娠・出産のための元気な身体づくりの基本となります。
このように、妊娠力の高い身体をつくるためには、腎、肝、脾胃の働きを強くすることが基本となります。

「腎」と年齢、妊娠力の関係
「腎」は人の成長・発育を司り、生殖の機能とともに、密接に関わる臓器。腎の強さ(蓄える腎精の量)は年齢とともに変化し、その影響から、女性は7年、男性は8年周期で身体の状態に変化が訪れます。腎の衰えが目立ち始めるのは、女性は35歳、男性は40歳を迎える頃。この時期から生殖の機能が大きく低下し、妊娠もしにくくなると考えます。この年齢の目安は、現在の西洋医学とほぼ同様です。

妊娠力アップの体質改善法
妊娠しやすい身体をつくることは、年齢を問わず取り組みたい妊活の基本。不妊治療を行う人も、いつかは子どもを…という人も、健やかな妊娠に向けて体質をしっかり整えましょう。

・女性の基本ケア
「腎の虚弱(腎精不足)」「血不足」を改善
「腎」は子宮や卵巣の働き、月経、女性ホルモンの分泌などをコントロールする臓器で、女性の妊娠と密接に関わっています。そのため、加齢、睡眠不足、過労などの要因で腎の働きが弱くなると、月経トラブルや卵巣の機能低下などを招いて妊娠しにくい体質に。また、体内の「血」は月経や子宮の状態と深く関わるため、血不足の体質も不妊を招く要因となります。
女性の不妊ケアは、腎の働きを強くして肝の血をしっかり養うことが基本。そのためにも日々の睡眠、休息は十分に取り、バランス良く栄養を取ることを心がけましょう。また、冷えは腎のダメージになるので、身体を温めることも心がけて。

気になる症状:不妊傾向、月経不順、月経の量が少ない、足腰に力が入らない、めまい、耳鳴り、記憶力の低下、脱毛、白髪、ほてり、舌の色が紅く舌苔が少ない
(35歳以上、卵巣機能不全、子宮内膜が薄い人なども参考に。)

食の養生 腎を強くして、血を養う食材を
黒豆、黒ごま、黒糖、クコの実、桑の実、棗、うなぎ、鮭、牡蠣、鶏肉、豚肉、レバー、大豆製品、ほうれん草、小松菜、にんじん、かぼちゃ、りんごなど

よく使われるのは
杞菊地黄丸、婦宝当帰膠、心脾顆粒、亀鹿仙

・男性の基本ケア
「腎の虚弱(腎精不足)」「陽気不足」を改善
男性にとって、「腎」は精子の量や質、性欲などをコントロールする臓器。腎精が充実して腎の機能が強ければ、質の良い十分な精子が造られ、性欲も健やかに保たれます。反対に、加齢や過労、睡眠不足などで腎の機能が低下すると、精子の量や質が落ち、性欲減退、性機能障害(ED)などの不調が起こりやすくなります。また、体内の「陽気(身体を温めるエネルギー)」が不足した状態も、精子の質の低下や性機能障害につながるため、不妊傾向の要因となります。
養生の基本は、腎を強くして、陽気をしっかり養うこと。疲れを溜めないよう睡眠を十分に取り、「脾胃(胃腸)」を元気に保って栄養をしっかり取ることを心がけましょう。

気になる症状
不妊傾向、性欲の低下、足腰が冷えて痛い、疲労感、無力感、顔色が白い、頻尿、むくみ、食欲不足、軟便、舌の色が淡く舌苔が白い
(40歳以上、精子の量が少なく運動率が低い、胃腸虚弱の人なども参考に。)

食の養生 腎を強くして、陽気を養う食材を
くるみ、松の実、栗、大豆製品、山芋、銀杏、もち米、エビ、太刀魚、にら、きのこ類、羊肉、牛肉、鹿肉、どじょう、なまこ、卵、インゲン豆 など

よく使われるのは
八味地黄丸、牛車腎気丸、補中益気湯、健脾散エキス顆粒、健胃顆粒など

男女共通の体質別ケア
血行不良の「瘀血」タイプ
「瘀血(血行不良)」でドロドロ血になると、子宮や卵巣に良質な「血」が届きにくくなります。また、血流が滞るため子宮筋腫や子宮内膜症などを招きやすく、これが不妊につながることも。一方、精巣にスムーズに血が巡らず、精子を造る機能が低下するなど、男性にとっても瘀血は不妊傾向の要因となります。瘀血は、食の不摂生や運動不足、身体の冷えなどが主な要因。妊娠力アップのためにも生活習慣をしっかり見直して、サラサラ血流を保つよう心がけましょう気になる症状
手足のしびれ、顔色が悪い、しみが多い、肩こり、痛みが多い(頭痛、胃痛、腹痛、関節痛など)、舌の色が暗く瘀点・瘀斑がある、月経不順、月経痛、経血に血塊が多い
(子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、精索静脈瘤の人なども参考に。)食の養生 血行を良くする辛味、温性の食材を
玉ねぎ、ねぎ、ラッキョウ、ナス、しょうが、よもぎ、紅花、サフラン、シナモン、ウコン、金針菜、黒きくらげ、納豆、小豆、紹興酒など
らっきょうよく使われるのは
冠元顆粒、温経湯、三七人参、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散など

ストレスが多い「肝うつ」タイプ
過剰なストレスなどで「肝」がダメージを受けると、体内の「気(エネルギー)」「血」の巡りが滞りがちになります。すると、自律神経やホルモン分泌が乱れ、女性は排卵や月経の不調、男性は性欲の減退や性機能障害(ED)などを招き、妊娠しにくい体質に。また、気・血の巡りが悪いと、子宮や卵巣に十分な栄養やエネルギーが届かず、妊娠力が落ちてしまうこともあります。
このタイプは、日頃のストレスをため込まないことが大切。妊活中はストレスやプレッシャーを感じやすい時期ですが、2人でこまめに話をして、気持ちを穏やかに保つよう心がけましょう。気になる症状
憂うつ、イライラ、怒りっぽい、のどの詰まり感、胸の詰まり・重苦しさ、げっぷが多い、お腹の張り、女性のPMS(月経前緊張症)、月経周期不安定、胸の張り
(自律神経不安、高プロラクチン症、性機能障害の人なども参考に。)食の養生 肝を整えて、気の巡りをよくする食材を

ジャスミン、ミント、菊花、マイカイカ、菜の花、パクチー、春菊、そば、クレソン、タケノコ、グリーンピース、イチゴ、レモン、梅、酢など

よく使われるのは
逍遥顆粒、加味逍遙散、半夏厚朴湯など

暮らしの養生

・「冷え」は血行不良などにつながり、不妊の一因に。入浴、温かい飲食、冷えない服装など、日々の温活を心がけて。
・1日3食、バランスの良い食事でしっかり栄養を。過渡な飲酒やダイエットはNGです。
・過渡な運動で気・血の巡りを促して。ストレッチやヨガなど、自分に合った運動を習慣に。
・ストレスは妊娠力アップの大敵。不妊治療は結果に一喜一憂してしまいがちですが、なるべく気持ちを穏やかに保ち、リラックスして妊活を続けましょう。(チャイナビューNo294 菅沼栄先生監修)

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