お知らせコラム

腎臓は「脳や心臓の状態を表す鏡」腎機能低下で心臓病や脳卒中で死亡のリスクが高まる


腎機能が低下すると、心臓病や脳卒中で死亡するリスクが高まるということが明らかになりました。その理由には、腎臓の「糸球体」と呼ばれる毛細血管の構造が関係しています。日本腎臓病協会理事長で、川崎医科大学(岡山県倉敷市)腎臓・高血圧内科学教授の柏原直樹さんは、「糸球体は、脳の血管と構造が似ています。糸球体に問題が起こっていることは、すなわち、脳内の血管も同じように問題が生じている可能性が高い」といいます。心臓に関しても同様に構造が似ており、腎機能が落ちている人ほど狭心症や心筋梗塞、心不全に陥りやすいのです。(参照:東洋経済ONLINEより腎機能低下で心臓病や脳卒中で死亡リスクが高まることが判明、「腎臓病」の知られざる怖さ)

患者1300万人!新たな国民病CKDとは?
腎臓の病気の代表的なものとしては、慢性糸球体腎炎(IgA腎症)や糖尿病性腎症などが挙げられます。近年では、「蛋白質尿が出ているか、腎機能が少し悪い状態」を表す慢性腎臓病(Chrpnic Kidney Disease:CKD)も注目されています。尿検査で「タンパク尿が出ている」、もしくは血液検査で「糸球体路価値(GFR)が低い」という状態が3か月以上続く場合、この病気が疑われます。国内のCKD患者数は推計1300万人。成人の約8人に1人が関わっている身近な病気で、しかも働き盛りの30,40代からその兆候が出始めていることも分かっています。CKDなると蛋白質の制限、減塩、水分管理など、様々な制限が必要になります。蛋白質は体内では分解された際、その一部が老廃物となるため、濾過機能を担う腎臓の負担を増やしてしまいます。蛋白質は肉や魚のほかにも、米や麺類、パンといった主食にも含まれるため、それらも考慮して食べる必要が出てくるのです。塩分の取り過ぎも腎臓が血圧を調整している以上、気を付けなければならず、厳格な水分管理も必要です。

老化のほか、肥満やストレスも腎機能低下の要因に…
「腎機能の低下で生じる浮腫みや貧血といった症状は、かなり進行しなければ現れません。だからこそ、健康診断で行われる検尿(尿蛋白のチェック)が大事になります。また、「推算糸球体濾過値(eGFR)」を調べるという方法もあります。これは、血液検査でわかる結成クレアチニンの値から求められます。(参照:日本腎臓病協会HP 腎機能をチェックしましょう(GFR値の自動換算))eGFRが45を下回った場合、生涯の間で透析のリスクが高くなります。一方、30代から40代で60を切っていたら要注意で、すでにCKDに罹患している可能性があります。腎臓病の最大の原因は老化で、腎機能を低下させるファクターです。老化による腎機能の低下は避けられませんが、そのスピードを生活習慣の訂正で遅らせることはできます。まずは高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病がある人は、しっかりコントロールすることが重要です。

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