お知らせコラム

食は生命なり…元気になる食養生のススメ(中医学講師 劉桂平先生の言葉…)①

はじめに
中医学の考え方では、からだ全体を考えながら、人ひとりそれぞれの体質や特徴(個体差)を重視して、内臓のバランスを整えることで病気を治療します。
病気の原因に対して、様々な角度から分析し(例えば、食事の乱れ、精神ストレス、過労、睡眠不足、運動不足、天候や環境の異常など)体質を改善しながら治します。その中でも「役職同源」という考え方があるように、漢方薬の治療効果を十分に発揮するためには、「自分の体質にあった食養生」を実行することが大切です。いくら体に良いものでも、過剰に摂取すると害になります。ここでご注意いただくポイントをご紹介します。

取り過ぎると、体に害をもたらす食べ物
・甘いもの・・・滞る性質なので、体内に湿邪が生じます。
(例、チョコレート・菓子パン・甘いお菓子やジュースなど…)
・油ものや肉類・・・消化吸収しにくいので、体内に湿熱が生じる
(例、揚げ物・天ぷら・ポテトチップ・各種肉など)
・香辛料の多いもの・・・刺激性が強く熱性があるので、体内に熱が生じる)
(例、唐辛子・カレーライスなど)
・洋食品、加工食品・・・消化しにくいので体内に湿熱が生じる
(例、ファーストフード(ハンバーガーなど)・ケーキなど)
・牛乳、卵、(大豆)、魚介類・・・高タンパクで消化吸収しにくいので、体内に湿熱が生じる
・生もの、冷たいもの、冷凍のもの・・・胃腸を冷やし、消化吸収機能を低下し、体内に湿邪が生じる(例、刺身・アイスクリームなど)果物の食べ過ぎは注意
・コーヒー・・・興奮性が強いので、体内に熱が生じる
・アルコール類・・・湿熱が生じる 例、ビール、お酒など
・タバコ・・・熱毒が生じる

上記のものは高糖質、高タンパク質、脂っこい、冷たいもののため消化吸収しにくいもので、中医学で言う脾胃(消化器系全般)の機能低下させ、体内に湿熱病邪を生じさせます。
この湿熱病邪は経絡を通じて全身のあちこちへ運ばれ、様々な病気が生じる原因となります。例えば、内臓のバランスを崩すと内臓病になり、皮膚の働きを阻害すると皮膚病になり、血液に影響し湿熱血熱になると、皮膚のかゆみや赤みなどが現れます。
頭部に影響すると眩暈(めまい)や頭痛になり、足腰に影響すると腰痛やひざの痛み、疲れやすく、足の痿弱(いじゃく)になるなど、あらゆる病気が発生する可能性があります。漢方薬の吸収も悪くなるので、できるだけ過剰摂取しないようにしてください。

・湿熱病邪(しつねつびょうじゃ)とは飲み物や食べ物などが体内に入って消化吸収できず溜まると、体にとって悪いものになります。この体に悪いもののことを中医学では湿邪(しつじゃ)といいます。湿邪が体内に長くたまると、一部は熱に代わり、湿邪とまじりあって、湿熱病邪になります。この湿熱病邪はしつこくて、体への影響は湿邪よりひどくなります。漢方薬にはこの湿熱を取り除くことにより病気を治療する処方が多くあります。
・経絡(けいらく)とは人間の臓腑や体全体など、お互いに連絡する情報伝達のネットワークのことを指します。

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