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シベリア人参(エレウテロコック)


シベリア人参(和名:エゾウコギ(蝦夷五加) 生薬名:刺五加(しごか))
エレウテロコックは自生する植物であるエレウテロコックの根です。ロシアのシベリア地域、中国の東北地方(吉林省、黒竜江省、遼寧省)、日本の北海道などに生育していますが、シベリアのものが最も上質とされています。
1950年代から1960年代にかけて、旧ソ連では様々な研究が行われ、エレウテロコックは視床下部に働きかけてホルモン系や自律神経系を調整する作用があるため、顕著な抗ストレス作用があることが証明されました。また、体力増強、疲労回復、慣例や酸素欠乏など悪環境での生体適応能力の高まりなどの効果も確認されました。やがて、「旧ソ連では宇宙飛行士、オリンピック選手などが使用している」というニュースが世界中に広まりました。そして、エレウテロコックはヨーロッパ、アメリカにも輸出され、「シベリア人参」とも呼ばれるようになりました。

中医学から見ると…
蝦夷五加(えぞうこぎ)
性味:辛・微苦・温
帰経:肝・腎
効能:益気健脾・補腎安神

主な作用
①滋養強壮:エレウテロコックのエレウテロサイドEの成分により、免疫細胞を活性化して免疫力を高めます。
②抗ストレス:リグナン配糖体などの腸内細菌の代謝によりエストロゲンの作用を持つことが指摘されており、さらに、優れた「環境適応源」(アダプトゲン)の作用によりストレスへの抵抗力を強めます。
③自律神経バランスの調整:エレウテロコックのエレウテロサイドEの成分が脳下垂体を通じて、視床下部によって副腎を調節し、自律神経のバランスを回復し、緊張を緩和します。

体が弱い、緊張しやすい、疲れやすい、気分の落ち込み、冷えやすい、忘れっぽい、ストレスが多い、過酷(残暑、厳寒)な環境での作業、寝つきが悪く夢をよく見る、激しい肉体労働が多い、やる気がないなど…に

シベリア人参ストーリー…
シベリアではこの植物をエレウテロコックと呼びます。その根を最初に用いたのは、オンチョン族などの先住民とされます。オンチョンとは「トナカイを飼う人」の意味で、古からトナカイと共に半牧半猟の暮らしをしている民族です。肉を主食とし、住居が円錐形のテント、夏は散在して生活し、極寒的な冬を迎えるといって一に集落を形成します。信じがたいことに、極寒の夜に彼らは焚火もなしに野宿することもありました。その野営の前に彼らはひそかにエレウテロコックの根を嚙んで寝ていました。
彼らの財産であるトナカイは角が貴重品として交易に用いられていました。角を切る時期はエレウテロコックの若芽が生えるときが一番良いとされ、トナカイの体力回復のために使われました。エレウテロコックの若芽を食べたトナカイは角を切られた後も命をつなげられるがそうでもないものは冬を超えられずに死んでしまうといいます。
彼らの居住地域はエレウテロコックの自制分布と密接に重なっています。極寒の野宿、トナカイの生死の境など、究極の現像は「たまたま先住民族が利用した」のではなく、「自然の魔法の恵み、その力を彼らが発見し、生活を形成していった」ことを推測させます。エレウテロコックはある時期まで彼らだけの秘密の妙薬でした。

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