お知らせコラム

漢方エキス細粒の開発について・・・コタロー漢方

コタロー漢方の匙倶楽部商品には、主に相談販売を中心とした薬局・薬店様でお取り扱いいただける漢方処方の細粒剤を多数取り揃えております。今回は細粒剤の製品開発の一部をご紹介いたします。生薬を原料とする漢方エキスは、植物由来の糖類や脂質を多く含むことから、細粒剤とした際、粒が崩れたり、粒同士が付着したりします。また、その影響は生薬によって異なることから、処方の性質に合わせて慎重に製剤設計する必要があります。開発時には、より良い細粒剤となるように、設計段階で試作造粒を繰り返し、配合する添加剤の割合を調整し、最適な製造パラメータを検討しています。開発した細粒剤は、安定した品質でお届けできるように、物性に関する以下の検証を実施し、安定性を確認しています。
【粒子の確認】
弊社は乾式造粒法を採用しており、漢方エキスと添加剤の混合物に圧力をかけて板状の成形物(フレーク)に固め、それを砕いて細粒剤に製しています。細粒剤の粒が崩れると微粉末となり、服用時にむせたり咳き込んだりする原因となります。フレークにかける圧力と厚みを数値で管理し、解砕後は粒の大きさが均一になるように篩にかけ、服用し易い細粒剤となるように設計しています。
【吸湿による変化の確認】
漢方エキスは大変吸湿し易く、特にポリ瓶製品は、調剤のたびに瓶を開閉することで、空気中の水分の影響を多く受けることになります。開発時には、薬包紙の上に試作品を広げ、状態の変化を経時的に観察します。細粒剤の色の変化、薬包紙への固着など外観を確認し、吸湿の影響が最小限となるように設計しています。
【圧力による変化の確認】
一部の漢方エキスは、細粒剤にしてからも、自重や外部からの力で粒子同士が圧着することがあります。試作品に長時間、圧力をかけて観察し、塊が発生しないことを確認しています。弊社研究所では、安定した品質の漢方エキス製剤を開発できるように、これからも製剤技術の向上に努めてまいります。

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