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辛夷(しんい)

辛夷(しんい)
早春、大形の白い花が香る。庭先や公園などに咲く芳香性の辛夷の花は、日々暖かくなる季節の到来を告げます。「田打ち桜」の別名は、その開花から農作業の準備を始めたことに由来します。こぶしの名は、赤い果実の四凸が握り拳に似ているところから命名されたといわれています。
日本では北海道から九州まで広く分布するモクレン科の落葉広葉樹。虫に強いため園芸花木として人気が高く、花のさわやかな芳香は香水に、また材が緻密なので工芸品の材料としても利用されています。
1月から2月頃に採取した花のつぼみを乾燥させたものが生薬の辛夷。辛温解表薬に分類され、詰まっている穴を通じさせる開竅薬(かいきょうやく)として使用します。処方には鼻炎・鼻づまりに用いる麗沢通気湯加辛夷や、辛夷清肺湯、葛根湯加辛夷川芎などがあります。

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