8月に増加する細菌性食中毒
気温や湿度が高く、「0-157」をはじめとする腸管出血性大腸菌や黄色ブドウ球菌、など、食中毒を引き起こす細菌の活動が活発になる8月は「食品衛生月間」です。
食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」こと。手洗いや調理には気を使っていても、調理後の保存が適切でないと細菌が増殖して食中毒を起こす場合があるため、注意が必要です。(参照:厚生労働省HP→食品衛生月間)
カレーは一晩寝かせても大丈夫?
学校などの行事で、「作り置きのカレーやシチューから集団食中毒が起きた」というケースがあります。これは十中八九、ウェルシュ菌によるものです。ウェルシュ菌は主に土壌にいるため、ニンジンやジャガイモなど、カレーでおなじみの根菜類に付いていることが多いです。やっかいなのは、「芽胞」と呼ばれるカプセル(耐久細胞)を作ることで、芽胞はかなりの高熱にも耐えます。ぐつぐつ煮込んでも生き残るものがいて、再び50°C以下に温度が下がるのを待って発芽。常温で激増し、毒素を出します。ウェルシュ菌は酸素を嫌いますが、大鍋で煮込お料理は中心部が低酸素になりやすく、カレーやシチューのほか、麺類の残り汁、煮魚や煮物で食中毒を引き起こします。東京都福祉保健局の実験では、家庭の調理方法で鍋ごと常温保管した場合、ウェルシュ菌が増殖することが確認されています。鍋ごと冷蔵庫で保管したカレーでも、再加熱後に菌が検出され、再加熱のときにどうしても温度ムラが起こりやすいことが示唆されました。「翌日のカレーが一番おいしい」という方もいらっしゃると思いますが、基本的には作ったらすぐに食べきるのが安全です。保存する場合は、小分けにして冷めやすくし、急速に冷蔵・冷凍します。温める際は、適温に達したところで火を止めず、よくかき混ぜながら全体を完全に熱くすること。「温め直しを繰り返すほどにウェルシュ菌が増える」ため、再加熱は1回までにしましょう。(参照:東洋経済オンライン→8月に増加の「食中毒」やられる人の4つの間違い)