お知らせコラム

薬物乱用頭痛(MOH)対策にも漢方薬を

薬物乱用頭痛とは、薬剤の使用過多による頭痛です。
頭痛薬(NSAIDs、トリプタン製剤、エルゴタミン製剤など)を漫然と使用することによって、頭痛に効果がないだけでなく、頭痛の頻度をむしろ増加させてしまうことがあります。
その改善には過剰服用している頭痛薬の減量・中止が必要ですが、同時にもともとの頭痛に対する治療が必要となります。頭痛に有効な漢方薬を用いることで、もともとの頭痛の治療を行いつつ、頭痛薬の減量・中止も実現できる可能性があります。今回は、頭痛の種類別におすすめの方剤をご紹介します。

外因性(急性期)
・風熱頭痛 頭が張ったように痛み、温めると増悪して、張り裂けるように痛む頭痛。発熱、顔面紅潮、目の充血、ほてりなどの症状を伴う。
金羚感冒散・錠

・風湿頭痛 雨天になると痛みが強まる、重く包まれて締め付けられるような頭痛。胃部不快感、食欲減退、身体・手足が重い、尿量減少、軟便などを伴う。
勝湿顆粒(藿香正気散)、五積散

風寒頭痛 強く締め付けるような頭痛で、温まると緩解し、冷えると悪化する。強い寒気、項背部のこわばり、くしゃみ・鼻水などの症状を伴う。
葛根湯、清上蠲痛湯

内因性(慢性・反復性)
痰濁頭痛 頭が重苦しく、めまい(回転性)を伴う頭痛。飲食の不摂生、脾胃の虚弱がベースにある。食欲不振、悪心・嘔吐、小便不利、軟便などを伴う。
苓桂朮甘湯、五苓散、沢瀉湯

肝陽頭痛 片頭痛に多いタイプ。精神的ストレス、怒り、抑鬱などにより増悪する。熱感、顔面紅潮、眼の充血、耳鳴り、口苦、口渇、便秘などを伴う。
加味逍遙散、釣藤散

気虚頭痛 空虚感を伴う、鈍く持続的に痛む頭痛。疲労で悪化する。虚弱体質、過労・疲労、慢性病の方にみられる。倦怠感、息切れ、無気力などの症状を伴う。
継続:補中益気湯、頓服:清上蠲痛湯

血虚頭痛 鈍く持続的に痛む頭痛。出血、月経、分娩・産褥などにより血が不足した結果生じる。顔の血色が悪く、ふらつき、めまい、動悸、不眠、筋肉のつり、眼のかすみなどの症状を伴う。
継続:婦人宝、頓服:清上蠲痛湯

瘀血頭痛 刺すように強く痛む固定性の頭痛。夜間や運動時に増悪する。肩こり、腰痛、冷えのぼせなどを伴う。舌に瘀斑や舌下静脈怒張などがみられる。
冠心調血飲、桂枝茯苓丸

 

タイトルとURLをコピーしました