IT眼症という症状をご存じですか?文字通りIT機種を使うことで怒る心身の不調で、今後も発症する人は増えると予想されています。スマホ(スマートフォン)やパソコンは今や日々の生活になくてはならないもの。だからこそ、使い方に気を付けることはもちろん、きちんと身体をケアして、不調の予防、改善を心がけることが大切です。
眼の不調の原因は体質にもあり
IT眼症は、スマホやパソコンなどを長時間使うことで怒る心身の不調のこと。別名「VDT症候群」とも呼ばれ、目の疲れ・かすみ、ドライアイ、首や肩のこり・痛み、頭痛、イライラなどの症状が現れます。主な原因は、眼の酷使、画面の明るさやブルーライトの影響、長時間のうつむき姿勢や前かがみの姿勢など。また、画面を凝視するとまばたきの回数が大きく減るため(通常1分間に20から30回のところ、5から10回程度に)、涙が蒸発してドライアイスを招くこともあります。
こうした直接的な原因に加え、中医学では、体内にも不調を引き起こす要因があると考えます。眼の状態と深く関わる臓器は「肝」と「腎」。これらの機能が低下していると眼にも影響し、トラブルが起こりやすくなります。
さまざまなIT機器に囲まれる現代の生活では、IT眼症は年齢を問わず起こり得る症状。大人はもちろん、ゲームやテレビに夢中になる子供に不調があられることも多いので、まずはIT機器の適切な使用(時間、姿勢など)を心がけて、そのうえで、体質ケアもしっかりして、目の健康を守ることが大切です。(VDT=Visual Display Terminals ビジュアル・デイスプレイ・ターミナルの頭文字をとったもので、パソコンのデイスプレイなどの画像表示末端を意味します。)
スマホやパソコンによる目の不調 気になる「IT眼症」対策
眼のケアは「肝・腎」を健やかに整えることが基本。
基本のケア
「肝・腎」を健やかに
中医学では、「肝は目に竅(あな)(穴)を開く」とされています。
これは、「肝」の蓄える「血」が目に栄養を与え、「肝」が巡らせる「気」が目のエネルギーになるということ。そのため、「肝」の機能が低下して気血が目に十分巡らなくなると、目の状態にも影響して様々なトラブルが現れるようになります。
また、「肝」は「腎」に養われる関係にあるため、弱った「肝」の働きを回復するためには、「腎」も一緒に強くすることが大切です。
養生の基本は、「肝」の血、「腎」が蓄える「精(生命エネルギーの源)」をしっかり養い、「肝・腎」の働きを元気に保つこと。そのためにも、日々の食事でしっかり栄養を摂り、睡眠を十分にとって疲労やストレスを溜めないよう心がけましょう。また、目を酷使すると血を消耗するため、「肝」がダメージを受ける要因となります。「肝」の働きを守るためにも、スマホやパソコンの使い過ぎには十分注意が必要です。
気になる症状
目の疲労、ドライアイ、視力の低下、視野がぼやける、夜間の視力低下、飛蚊症、目の不調の長期化、めまい、耳鳴り、集中力の低下、物忘れ、抜け毛、若白髪、腰痛、月経不順、経血の色が薄く量が少ない、舌の色が淡い
食の養生
血と精を養い、「肝・腎」を元気に
・黒ゴマ、クルミ、枸杞のみ、桑の実、ブルーベリー、松の実、黒豆、山芋、キノコ類、レバー、うなぎ、うなぎの肝、エビ、ナマコ、海藻類など
暮らしの養生
・スマホやパソコンの使用中は、こまめな休息で目を休めて(画面を20分見たら遠くを20秒見るなど)。長時間の使用もなるべく避けましょう。
・画面を見ているときは意識してまばたきを。眼の乾燥予防につながります。
・同じ姿勢を続けると肩や首、腰などに負担がかかります。こまめにストレッチをして身体の緊張感をほぐしましょう。
・度の合わないメガネやコンタクトレンズも目の疲れの原因に。見えにくいなと感じたら早めに度があっているが確認しましょう。老眼鏡の適切な使用も大切です。
・入浴時に目や肩、首のマッサージを。緊張をほぐし、血流を良くしましょう。
・睡眠を十分にとること、目を休める大切なポイントです。
良く使用される漢方薬:杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)・・・肝血と腎精を養い、精血生成の脾を助け、疲れ目、視力減退に向けた目のケア用漢方薬です。
中国では「飲む目の薬」として有名ですが、目の症状だけでなく、肝腎不足が関連する諸症状のケアと予防にも役立ち、トラブルに悩んでいる現代人の老弱男女が使いやすい漢方薬です。
・現代人は目を長時間使う傾向にあります。
仕事をする人の9割以上はパソコンを使用
仕事をする人の7割は、眼精疲労、目の奥が痛い、肩こり、頭痛を訴えます
10代から60代の一日当たりのテレビ、スマホ、PCの平均利用時間は約7.5時間
テレワークの実践者の7割以上が目の疲れを実感
オンライン講義を受ける小中学生が増え、6割が目の疲れ、視力が下がったなどの報告があった
こんな方に杞菊地黄丸はおすすめです。