お知らせコラム

芍薬について

芍薬は『第十八改正日本薬局方』において、シャクヤク Paeonia lactiflora Pallas(Paeoniaceae)の根と規定されています。属名の Paeonia はギリシャ神話の医神の名を意味し、種小名 lactiflora は花の色が乳白色であることに由来します。5~6月に茎頂または葉腋に花をつけますが、薬用に使用する場合には根を太らせるために、花は蕾のうちに取り除かれます。シャクヤクはボタンと並んで、花径が大きく壮麗な花を咲かせることで有名です。いずれもボタン科の植物でありますが、シャクヤクが草本植物で冬に地上部が枯れてしまうのに対し、ボタンは木本植物で、葉は落ちますが地上部の枝が枯れずに残るのが両者の大きな違いとなっています。シャクヤクは、日本には平安時代に中国から薬草として渡来し、江戸時代には赤や紫など鮮やかな色の花を咲かせる多数の園芸品種が作られました。昭和初期には約 700 品種が発表され、現在は 3000 品種以上あるとされています。芍薬は鎮痛鎮痙薬や婦人薬などの数多くの処方に使用される要薬であり、「一般用漢方製剤製造販売承認基準」収載の 294 処方中 102 処方に配合されています。そのため、日本における年間生薬使用量は甘草、茯苓に次ぐ第三位となります。国内では長野県や富山県などで栽培されていますが、使用量の 98%は中国からの輸入に依存しております。芍薬が配合される代表的な処方に芍薬甘草湯があります。芍薬甘草湯は芍薬と甘草の 2 種類の生薬のみから構成され、こむら返りの特効薬として有名です。頓服として使用する際は、体力や体質などの証にこだわらずに用いることができ、急性の腰痛、下肢痛、胃痛、胆石・尿路結石の発作時の疝痛及び月経痛など幅広い痛みに有用とされています。上記のような様々な痛み症状にお役立ていただければ幸いです。(コタロー通信)

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