9月から10月前半まで日本の南岸沿いに停滞する前線により
もたらされる長雨は秋雨と呼ばれています。
雨による湿気(湿の邪気)は梅雨が一番多いと言われていますが、
東日本の秋雨時の雨量は梅雨より多いと報道されています。
台風が接近すると大雨がもっと多くなります。
中医学では、どの時期の雨でも、すべて「湿の邪気」
<湿邪の主な症状>
「元気がない」、
「体全身がだるくて無力」、
「関節がだるくて痛い」、
「食欲がない」、
「吐き気・嘔吐・下痢」、
「朝から眠くなる」、
「下半身のむくみ、小便不利」、
「大便がネバネバして、便器に粘着してよく流れない」、
「舌の苔がネバネバする」
などの症状がよく見られています。
<食養生のご提案>
日本で食材として馴染みのある「ハトムギ」でおかゆを
作ってみてはいかがでしょうか?
黒豆・小豆・緑豆から構成する「三豆湯(スープ)」は
中国で有名な薬膳です。
黒豆は体質改善し、元気がでます。
小豆は利尿によりむくみを取り、緑豆は熱を冷まし、
残暑に特有な熱を取ることができます。
そして、体内の湿気を取り、むくみを解消するのに抜群な
効果があります。
<湿邪に勝つ漢方薬のおすすめ>
雨や気圧などの気象変化による病気は、「気象病」とも
呼ばれています。
中医学では、「湿気」によるものと見て、
秋雨の時期、症状がひどい方には湿邪を取り除く対策が
よく取られています。
その代表的な中成薬「勝湿顆粒」は外から体内に
入り込もうとする湿気を払い、体内の湿邪を追い出す効果
もあります。
湿邪に勝つ(=湿気を取る)「勝湿顆粒」の
原処方「藿香正気散」は宋代に編纂された処方専門書
『太平恵民和剤局方』に収載されており、
中国では今でも内科・婦人科・小児科・外科疾患の予防と
治療に幅広く応用されています。