お知らせコラム

板藍根(ばんらんこん)・・・風邪、インフルエンザ、コロナなど感染症対策に

板監根について日本では、医薬品ではなく食品に分類されています。
漢方では、清熱、解毒の働きを期待して日々の健康維持を目的に使用されています。

抗ウイルス・抗菌作用などが報告されている板藍根
2003年、アジアを中心としたSARSの流行に対して中国で使用された「板藍根」が大きな話題となりました。日本でも板藍根が注目されたのは、この頃からではないかと考えられます。中国で発表された論文(2022)によれば、板藍根にはこれまでに、抗菌、抗炎症、抗ウイルス、抗ガン、免疫調節、抗酸化、血中脂質調節、肝臓保護などの薬理作用が報告されております。
特に抗ウイルス作用については、
①豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)に対する直接的殺ウイルス作用
②鳥インフルエンザウイルス H6N2、H7N3、H9N2 及びヒトインフルエンザウイルス HIN1、H3N2 などの、ヘマグルチニンによる細胞への吸着阻害による細胞への侵入(感染)抑制作用などが報告されております。
これらはいずれも板藍根に含まれる多糖類の作用であるとされています。
また台湾(2005)では、板藍根の熱水抽出エキスが SARSウイルスの増殖に必須な3CL プロテアーゼの活性を用量依存的に阻害することを報告しています
また、2008年には板藍根に含まれる有機酸(安息香酸誘導体)が黄色ブドウ球菌や大腸菌などの細菌の増殖を抑制することを報告しています。
中国では板監根の抗ウイルス効果を期待して、風邪の予防に板監根の煎液を用いたうがいが推奨されているようです。
日本では板監根エキスを配合したトローチ状製剤やのど飴が販売されています。上気道のウイルス感染である風邪症候群の予防については、上述のような効果のある板藍根エキスが高濃度で直接咽頭に作用できるという意味において、とても良い方法なのかもしれませんね。
(小太郎漢方ニュースNo452、
横浜薬科大学渶方薬学科
薬用資源学教室 教授
李宜融(リー・イユウ)先生

マツヤ薬局(新潟県)
東邦大学医学部東洋医学研究室
名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学
笛木司(ふえきつかさ)先生 参照)

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