お知らせコラム

夏バテ、熱中症対策・・・猛暑を乗り切る!夏のカラダケア

食欲も落ちて、なんだか体がぐったり・・・。
連日の蒸し暑さにそんな不調を感じたら、気を付けたいのが「夏バテ」や「熱中症」。
2024年の夏も、猛暑が予想されています。暑さや湿気に負けて体調を崩さないよう、日々の体質ケアで夏を元気に乗り切りましょう。
「暑邪」「湿邪」が夏の不調を招く
夏の体調不良は、暑さと湿度が主な要因に。激しい暑さは体力を消耗し、食欲の低下や睡眠不足を招きます。また、屋外と室内の気温差、湿気で汗が蒸発しにくい(体温を下げにくい)などの要因で、自律神経が乱れてしまうことも。こうしたダメージが蓄積されると、疲労感、食欲不振、頭痛といった、いわゆる「夏バテ」不調を招いてしまうのです。
一方「熱中症」も、高温多湿の環境に長時間いることで起こる症状。汗をかいている水分や塩分が不足したり、熱を上手く逃せなくなったりすることで、体温が上昇し不調が起こります。
漢方でも、夏は「暑邪」や「湿邪」のダメージを受けやすい季節と考えます。暑邪が体に入り込むと、体内に過剰な熱がこもります。すると、たくさん汗をかいて体内の「津液=水ともいう」や「気(エネルギー)」を消耗するように。その結果、潤い不足で熱をうまく冷やせない、エネルギー不足で疲れやすい、といった不調が起こるようになります。
また潤い不足によるドロドロ血で五臓の「心」に負担がかかったり、湿邪が「脾胃(胃腸)」の働きを弱らせたりすることも、夏の不調を引き起こす大きな要因となります。夏は体内の陽気も活発で、暑さの中でも活動的に過ごすことが多い時期。その分、体を消耗して不調を招くことも多いので、体調管理に気を配りましょう。
夏の健康対策「夏バテ」「熱中症」に備える
「夏バテ」予防の体質ケア
夏の不調は暑さのせいではありません。高温多湿の気候に「心」や「脾胃(胃腸)」がダメージを受けていることも多いので、日頃のケアで体質を整え、夏バテ予防を心がけましょう。
①動悸、息切れ、高血圧などが気になる人は…「心」のケア
夏は五臓の「心」がダメージを受けやすい季節。暑さでたくさん汗をかくと、体内の「津液」と「気(エネルギー)」が消耗します。すると、潤い不足で血液が濃縮し、心に負担がかかります。また、エネルギー不足で心の働さが弱くなることもあります。心の不調は体全体に影響するほか、不眠を招いて疲れが溜まりやすくなることも。夏は自然と汗の量が増えます。心の働きを守るためにも、不足しがちな津液と気をしっかり養い、血流の良い状態を保ちましょう。
(屋外と室内の温度差で血管の詰まりを起こすことも。心血管疾患がある人は特に注意を)
気になる症状
動悸、息切れ、不整脈、多汗、不眠、不安感、イライラ、頭がボーとする、胸の詰まり、胸痛、舌の色が淡いまたは暗い
(狭心症などの心疾患、高血圧、高脂血症、動脈硬化症、高齢の人なども参考に)
食の養生
水分と気を養い、過剰な汗を止める
百合根、蓮の実、小麦、鶏のハツ、卵、ぶどう、ライチ、桃、らっきょう、うこん、玉ねぎ、なす、紅花、海藻類、山査子、レモン、トマト、梅干し、ヨーグルトなど・・・
よく使われる漢方薬・・・麦味参顆粒(生脈散)、冠元顆粒
②疲労感、食欲不振などが気になる人は「脾胃」のケア
「脾(胃腸)」は“湿気や冷えに弱い”臓器。夏は湿度が高く、暑さで冷たい飲食も多くなりがちです。すると、胃が疲れて食欲が落ち、元気の源となる「気(エネルギー)」「血」を十分生み出せない状態になります。その結果、身体のエネルギーや栄養不足で、疲れやすい、だるい、といった夏バテ不調が起こりやすくなります。脾胃の働きを守ることは、夏を元気に乗り切る基本。
冷たい飲食はなるべく避ける、刺激物を摂り過ぎないなど、脾胃に負担をかけない食生活を心がけましょう。
気になる症状
夏バテしやすい、疲労感が強い、食欲不振、体重の減少(夏やせ)、下痢、軟便、舌の色が淡い
(胃腸虚弱、病後、子ども、高齢の人なども参考に)
食の養生・・・温性・甘味の食材で脾胃を養う
大豆製品(豆腐、豆乳、湯葉、納豆など)、いんげん豆、米、もち米、豚肉、鶏肉、鴨肉、うなぎ、はも、太刀魚、あじ、山芋、じゃがいも、かぼちゃ、きのこ類、りんごなど
よく使われる漢方薬は健胃顆粒、健脾顆粒、晶三仙、清暑益気湯
「熱中症」の対処法
熱中症かなと感じたら、涼しい場所で身体を冷やす、水分を補給するなど適切な応急処置を。
症状が落ち着いたら体をケアして、体調をしっかり回復させましょう。
(意識がない場合はすぐに救急車を呼びましょう)①ほてり、発汗などの症状があるときは・・・過剰な「熱」を冷ます
身体に「暑邪」が入り込むと、体内に熱がこもります。過剰な熱は身体の潤いを消耗するため、放っておくと、津液不足でさらに熱を冷ましにくい状態に。その結果、体温の上昇、のぼせ、発汗といった症状が起こるようになります。こうした不調を感じたときは、まず体内の熱を冷ますことが肝心。瓜類やトマトなどの涼性食材、苦味のある緑茶などを積極的に摂り、過剰な熱を冷まして不調を改善していきましょう。
気になる症状・・・発熱、顔が赤い、口やのどの渇き、汗が多い、イライラしやすい、怒りっぽい、不眠、舌が紅く舌苔が黄色い
食の養生・・・暑邪を払い、過剰な熱を冷ます
すいか、メロン、苦瓜、冬瓜、きゅうり、トマト、れんこん、ごぼう、ところてん、寒天、クラゲ、菊花、桑葉、ミント、ハスの葉茶、緑茶、タンポポ茶など
よく使われる漢方薬は五涼華、白虎加人参湯、黄連解毒湯
②胃もたれ、疲労感などがあるときは・・・「暑湿」を取り除く
蒸し暑い夏は、「暑邪」と「湿邪」が一緒に身体に入り込むことも。湿邪は「脾胃(胃腸)」の働きを低下させるため、食欲不振や胃もたれなどで夏バテしやすい状態に。こうした夏バテ体質で暑邪のダメージを受けると、熱にうまく対処できず熱中症を招きやすくなります。このタイプの養生は、身体に溜まった暑邪と湿邪を取り除くことが基本。身体をすっきりさせて、胃の働きを整え、しっかり栄養を摂って体調を回復させましょう。
気になる症状・・・夏やせ、夏バテ気味、胃もたれ、胃のムカつき、食欲不振、膨満感、下痢、軟便、疲労感、頭が重い、身体が重い、舌苔が白または黄色でベタつく
食の養生・・・湿と熱を取り除き、脾胃を整える
はと麦、緑豆、もやし、春雨、冬瓜、海藻類、しそ、陳皮(みかんの皮)、みょうが、しょうが、カルダモン、小茴香(フェンネル)、とうもろこしの髭茶など
よく使われる漢方薬は勝湿顆粒、健胃顆粒夏の上手な過ごし方
・暑さを避ける:運動、掃除などの活動は朝夕の涼しい時間に。外出中は日差しをよけて。防止、日傘なども上手に使いましょう
・疲れを溜めない:エアコンや冷感器具で寝苦しさを軽減し、睡眠をしっかり取りましょう。夏でも湯船につかる習慣を。血行が行くなり、疲労回復につながります。
・胃腸を守る:冷たい物は胃腸の大敵。食事は火を通した温かいもの、飲み物も常温を心がけて。
水分補給より緑茶や麦茶がお勧め。利尿作用で体内の湿や熱を取り除いてくれます。食材はなるべく新鮮なものを。食中毒を防ぐためにも冷蔵庫を過信しないで。
(チャイナビュー308号)
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