お知らせコラム

睡眠時の「熱中症」にご注意ください

熱中症は日中だけでなく、夜間や睡眠時にも発症することがあります。実は、夜間に熱中症で亡くなる方が熱中症全体の 3 割程を占めており、命に危険が及ぶことがあります。その理由として、特に睡眠時は熱中症や脱水の症状を自覚しにくいことや、周囲も気が付かぬまま症状が進行してしまうことなどが挙げられます。熱帯夜が続く昨今は、特に注意が必要です。今回は睡眠中の熱中症を避けるための対策と、おすすめの漢方薬を紹介します。
対策1.寝室の温度を下げる(室温 28°C、湿度 40~60%)
空調を適切に使用することは重要です。室温が体温よりも高いと、体温調節に問題が生じます。睡眠時の室温は 28°C、湿度は 40~60%が目安とされています。年齢を重ねると暑さを自覚しにくくなるため、「温湿度計」があると安心です。
対策2.就寝前に、コップ 1 杯の水を飲む
夏、睡眠時に失なわれる水分は 500mL 程度とされており、対策として「就寝前と起床時に、コップ1杯の水を飲むこと」が推奨されています。水以外にも、スポーツドリンクや経口補水液などを飲む場合がありますが、就寝前の使用には注意が必要です。一般的なスポーツドリンクは糖質が多く含まれるため、就寝前には不向きとされます。常用すると急性糖尿病(清涼飲料水ケトーシス)の危険性もあります。また、経口補水液も脱水症からの回復を目的としており、塩分やカリウムが多く含まれるため常用には適しません。常用すると口渇やむくみ、夜間尿の原因になる場合もあります。水分・ミネラルの補給は、生活習慣や食事、運動量に合わせて適したものを選択ください。
対策3.漢方薬を服用する「夏の暑さ対策におすすめの漢方薬」
・お風呂上がりの水分補給に、プラス「竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)」
麦門冬湯に竹葉・石膏を加えた竹葉石膏湯は、軽い熱中症によるのぼせ・ほてり、口渇などの症状に用いられます。白虎加人参湯に似た配合で、身体深部にこもった熱を解消する働きが期待されます。
・夏の外出のお供に「生脈散(しょうみゃくさん)」
生脈散は、体に必要な水分の消耗を防ぐ性質があるとされ、汗をかいた際の回復補助に適しています。また、平素から胃腸が弱く、食欲がない方には構成生薬に生脈散を含む「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」がおすすめです。
・イライラして寝苦しい夏の不眠に「黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)」
寝苦しい熱帯夜、目が冴えて眠れない時におすすめの漢方に黄連阿膠湯があります。心熱を除き、陰虚を解消することで、興奮やイライラ、胸苦しさを鎮めます。
ぜひ漢方薬をお役立てください。(コタロー通信より)

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