お知らせコラム

かぜに関する漢方(コタロー漢方より)

10 月に入り、季節の移り変わりを意識する時季になりました。季節の変わり目に起こる体調不良にはいろいろありますが、寒暖差が大きく気温が下がっていくこの時季では、かぜをひかないように意識している方が多いのではないでしょうか?
今回は、かぜに関連した処方をご紹介します。
【かぜをひきやすい方に用いる処方】
かぜをひきやすい方は、体調を整えて季節の変わり目に備えることが大切です。疲労倦怠感を解消し、外邪から体を守るのにおすすめの処方をご紹介します。
≪玉屏風散≫
補気作用のある黄耆・白朮と解表祛風の防風の三味で構成される処方です。黄耆と白朮が外邪から体を守る「衛気(えき)」を強め、防風が侵入してくる外邪を除くと考えられています。虚弱で汗をかきやすく、かぜをひきやすい方には特におすすめです。
【かぜに用いる処方】
傷寒と温病の代表処方をご紹介します。
1 悪寒が強い傷寒のかぜに≪柴葛解肌湯≫
太陽病に用いる葛根湯と少陽病に用いる小柴胡湯を合わせ、大棗と人参を除いて石膏を加えた処方です。かぜのひき始めからこじらせてしまった場合まで、幅広くお使いいただけます。悪寒が強い傷寒のかぜで、頭痛や四肢の痛みなど、症状が激しい場合に適しています。スペイン風邪に活用されたことで知られており、インフルエンザによく応用されます。
2 熱感が強い温病のかぜに≪金羚感冒散・錠(銀翹散加減方)≫
金羚感冒散は銀翹散加減方を製剤化したもので、金銀花と羚羊角を含む感冒薬ということから製品名がつけられました。構成生薬の大半が寒涼薬で構成され、冷やしながら軽度に発汗させることで治療する処方です。悪寒はあまりなく、高熱がでて、ノドの腫れ・痛み、口渇などがあるような熱症状が強いかぜに適しています。
【かぜに伴う咳に用いる処方】
かぜが治った後、しつこい咳が残る場合におすすめの処方をご紹介します。
≪竹葉石膏湯≫
麦門冬湯から大棗を除き、熱を冷ます働きのある竹葉と石膏を加えた処方です。麦門冬湯よりも、乾燥感や熱症状が強い場合に適した構成になっています。処方名からは清熱の印象が強いですが、発熱や発汗による津液(水分)の消耗を回復させる働きが主であると考えられます。かぜの後に体の奥に残った熱を冷まし、肺の乾燥を潤すことから、かぜの後のしつこい空咳に適しています。

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