今年もまもなく、花粉症の方にはつらい季節が来ようとしています。
2025年のスギ花粉は、昨年夏の酷暑が影響して全国的に花粉が大量飛散するという予測です。
ヒノキ花粉も同じ傾向とされています。スギ花粉を放出するスギの雄花は、7月頃から形成され始め、11月頃には雄花の中の花粉が熟成します。その後、雄花は休眠状態に入り花粉の成長も止まり、一定期間の低温状態を経て、12月下旬から1月上旬頃に休眠が打破され、花粉の成長が開始されます。 2024年の夏(6~8月)は、ほぼ全国で平均気温の記録が更新される猛暑でした。そして、日照時間も日本海側の一部を除き、平年以上を記録しています。スギ花粉の総飛散量は、7月下旬から8月上旬の天候との相関関係が強いとされ、昨年夏はこの時期に高温と厳しい日差しが記録されているので、今年はスギ花粉が大量に飛散すると予測されます。さらに、昨年はスギ花芽の作柄が不良であったことから、今年の豊作が予測されており、スギ花粉大量飛散の条件をさらに後押ししています。なお、スギ花粉の飛散開始時期については、この冬の3か月予報で「平年並み」と予想されていることから、西日本と東海地区は2月上旬から中旬、関東、東北地方は2月下旬から3月上旬になると予測されます。
花粉症の予防は、先ず花粉との接触を避けることです。スギ花粉は、2月に入れば少量の飛散が始まるので、花粉症で敏感な方は、症状が発現してしまいます。対策として、日々の花粉情報をネットなどから入手し、飛散が多い時期の不要な外出を控え、外出する際はマスクやメガネで花粉から鼻や目を守ることが大切です。
花粉症で困るのは、鼻づまり症状です。スギ花粉飛散の初期ならば、小青竜湯や麻黄附子細辛湯などが奏功します。しかし、ヒノキ花粉の飛散が多くなる 4 月頃には、鼻づまりも炎症による鼻粘膜の肥厚も強く、鼻水も粘性が高くなりますので、葛根湯加辛夷川芎や辛夷清肺湯のような、鼻粘膜の炎症を抑えて腫れを緩和する処方がおすすめです。(小太郎漢方)