元旦に始まり、元宵節(げんしょうせつ)(旧暦1月15日)、情人節(バレンタインデー)と、冬の中国はイベント続き。旧暦1月1日には最大行事の春節を迎え、この時期は毎年1週間ほどの大型連休となります。
そうなると、友人や家族が集まる機会も自然と増えるもの。この時期ならではのごちそうも楽しみで、家族が集う春節の食卓には、餃子(富の象徴)、餅(収入や身分アップ)、魚(豊作、豊漁)、麵(長寿)、みかん(幸運、成功)、といった縁起の良い正月料理がずらりと並びます。
また、元宵節には伝統のもち米でできた甘い団子をパクパク、情人節のデートには豪華なデイナーと、この時期は食の楽しみ事尽きません。ついつい食べ過ぎて胃が持たれたり、おなかが張って苦しくなったりと、胃腸のトラブルを感じやすい季節でもあるのです。
そんな時に頼りになるのが、赤い果実の「山査子」です。山査子は古くから生薬として使われるバラ科の植物の実で、食べ過ぎによる消化不良や腹痛の改善などに使われてきました。また、血の巡りをよくすることから、生理痛や産後の腹痛といった女性の不調にも用いられています。
中国では冬になると生の山査子を串にさして飴をかけた糖葫芦(タンフールー)が街のあちこちで売られています。甘酸っぱい果実に甘い雨の組み合わせは、食後のデザートにもぴったりです。他にもドライフルーツをお茶に入れたり、お菓子にしたり、山査子酒やはちみつ漬けにするのもおすすめです。そんな訳で、中国の人々にとって山査子は「食後のお腹のお守り」のような存在に。
果実なので、子供から大人まで安心して食べられるのも嬉しいところ。ドライフルーツや山査条、果丹皮といった山査子のお菓子は日本でも手に入れやすいので、日頃の消化サポート用として常備しておくのもいいかもしれませんね。
山査子の主な効能
酸味・甘味・微温
消化を助ける:消化不良(特に肉類の消化)、食べ過ぎによるおなかの張り、腹痛、下痢などに
血を巡らせる:瘀血(血行不良)、狭心症、高脂血症、生理痛、産後の腹痛などに
(チャイナビュー302 中国的生活183より)

