お知らせコラム

枇杷葉(びわよう)

食用として広く親しまれている枇杷は、バラ科に属する常緑高木で、栽培品種は中国が原産。枇杷の名の由来は、葉あるいは実が楽器の琵琶に似ていることから言われています。楽器の琵琶はもともと枇杷と書かれていましたが、琴(こと)や瑟(しつ)の連想から琵琶になったとされ、枇杷の字はもっぱら植物に限定されるようになったようです。
生薬の枇杷葉は、枇杷の葉の裏の柔毛を取り除いて乾燥させたもの。内服から外用まで幅広く用いられ、現在も湿疹やあせも予防のための入浴剤に配合されています。
枇杷葉は肺の炎症を取り除き、鎮咳、止吐などの作用があります。鼻炎を治し、気管の津液を補い炎症を鎮める辛夷清肺湯や口内炎、舌の痛みや荒れ、歯周炎などの口腔内の炎症を鎮める甘露飲などに配合されています。
・鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症に・・・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
辛夷清肺湯は蓄膿症(副鼻腔炎)の治療に良く用いられます。花粉症や感冒に伴う鼻づまり・鼻炎にも幅広く使用されます。
たかが鼻づまりと思われますかもしれませんが、集中力の低下、不眠、食欲不振などを引き起こすこともあり、注意が必要です。
辛夷清肺湯が適しているのが、「鼻が詰まって息苦しい」「鼻水が黄色くネバネバしている」「鼻が乾燥する、熱感がある」と言った、花の炎症や乾燥が強いタイプです。辛夷清肺湯には辛夷(しんい)を含めて9種類の生薬が配合されています。辛夷は鼻づまりを改善し、そのほかの枇杷葉や石膏などは呼吸器系を潤して炎症を鎮める働きにより、鼻の乾燥感・熱感を改善し、ねばねばした濃い鼻水を排出しやすくします。
・口内炎、舌の荒れや痛み、歯周病に・・・甘露飲(かんろいん)
日本では中高年の80%が歯周炎を起こす歯周病(歯槽膿漏)を患っていると言われています。歯周病は歯が抜け落ちるだけでなく、最近では糖尿病や心臓病などの血管系の病気を悪化させることがわかってきました。甘露飲は歯周病の原因であるドライマウスを改善し、歯周病などの歯茎の病気(はれ、やせ、出血)を改善するほか、糖尿病などの血管系の病気にも期待されています。
(小太郎新聞、コタロー通信より)

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