糖尿病が悪化すると合併症になります。
糖尿病網膜症は糖尿病の慢性合併症の代表的な症状です。
糖尿病網膜症とは、糖尿病によって網膜の血管が傷つき、視力低下などが現れる病気です。
糖尿病の三大合併症の一つで、日本における中途失明原因の第3位です。
糖尿病患者の約40%が発症するといわれています。
ある地域の調査では、糖尿病の患者さんの16.9%に糖尿病網膜症の可能性があることがわかりました。
また、糖尿病を患っている期間が長いほど頻度が高く、糖尿病を発症してから10年たった人では、50~60%に糖尿病網膜症があるといわれています。年数が経過するとより多くなるのですね。
糖尿病網膜症が進行すると怖いのは、視力を奪われ失明してしまうことです。
さらに、血管新生緑内障まで併発すると、光を失ったうえに耐えがたい激痛に苦しめられ続けます。また、今は血糖値が下がっていても、過去に悪かった方は10年くらい経ち、
急に症状が出てくるケースもあるので要注意です。
中高年失明原因は、調査年度により変化しますが、
1位が不動の緑内障、
2位と3位で網膜色素変性症と糖尿病網膜症が入れ替わり、
4位の黄斑変性症や、
5位の脈絡網膜萎縮は近年順位を上げてきています。
自覚症状がないから怖い糖尿病。
網膜症糖尿病網膜症が怖いのは、無自覚なまま、その症状が進行してしまうことです。
そして、気がついたときには失明の危機が訪れている・・・
糖尿病網膜症の進行糖尿病網膜症は「単純網膜症」→「増殖前網膜症」→「増殖網膜症」の順に進行していきます。「単純網膜症」や「増殖前網膜症」の段階では自覚症状がありません。
「増殖網膜症」まで進行してはじめて自覚症状がでます。
増殖前網膜症や増殖網膜症に進むと眼科的な治療が必要になり、網膜にレーザー光線を当てる「網膜光凝固術」が行われます。
これは、新生血管による出血や網膜剥離を防ぐ治療なので、網膜が元にもどるわけではありません。糖尿病網膜症の治療糖尿病網膜症の治療の基本は、糖尿病の治療と同じく、血糖コントロールをしっかり行うことです。HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を7.0%未満に維持します。
ヘモグロビンエーワンシーが7.2以上になると非常に危険になり、自覚症状がないまま糖尿病網膜症が進行します。しかし、糖尿病なってからすぐに糖尿病網膜症になってしまうわけではありません。
糖尿病性網膜症は、糖尿病になってから数年から10年くらいかかることがわかっています。
また、重症な糖尿病網膜症になったり、失明の危機が迫っている患者さんは全糖尿病患者さんのうちの20%くらいと推定されます。
中医学の観点から…
高血糖は「痰湿」、血管つまりや新生血管、眼底出血は「瘀血」と考えられます。糖尿病で弱くなった血管を強くし、血液をサラサラにして血流を改善します。また、糖尿病は最終的には腎に影響が及ぶため、初期の段階からの補腎がとても重要です。杞菊地黄丸、生脈飲、のほか、瘀血をとる丹参、紅花、三七人参や、補腎する鹿茸などを使用します。