糖尿病の慢性合併症は、なぜ起きてしまうのでしょうか?
血管は体のすみずみへ、
酸素や必要な栄養分を運ぶ通路の役割をしています。
血糖値が何年間も高い状態であると、血管が傷ついたり、詰まったりします。
そして、血流が滞ってしまいます。
正常な血管が硬くなり壁が厚くなり、そこに脂肪がたまり、
血管の内腔狭くなって血流が滞ります。
このように、高血糖が原因で血流が阻害されて、血管とつながる臓器に障害が生じることで、
様々な合併症が起きてしまうのです。
糖尿病の慢性合併症は、数年から十数年かけてゆっくりと進行していきます。
かなり進行するまで症状がでないこともあるので、
突然、命にかかわる重い状態になることもあります。
どのような慢性合併症があると知っておくと、予防対策になります。
慢性合併症は2種類に分類慢性合併症は、
細小血管症(さいしょうけっかんしょう)と大血管症の2種類に分類されます。
細小血管症は、細い血管が傷つけられることで生じ網膜症・腎症・神経障害などの原因となります。高血糖は、血管がかたくなったり、狭くなったりする「動脈硬化症」を進める原因になりますが、
動脈硬化の進行によって、大きな血管とそれに繋がる臓器を傷害することで大血管症を引き起こし脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・末梢動脈疾患などの危険因子となります。
高血糖の他に、高血圧、脂質異常症(悪玉コレステロール:LDLが高い)、中性脂肪(TG・トリグリセド)が高かったり、喫煙や加齢も動脈硬化症につながります。
慢性合併症を起こさない、悪くしないそれには…
・血糖値をコントロールする
・糖尿病の治療を継続する(途中でやめない)
・血圧・コレステロールの値を適性な範囲にする
・喫煙をしない
・体重を適性な範囲にする
ことが重要となります。