医師は糖尿病の診断基準として「ヘモグロビンA1c」を重要視します。
従来の糖尿病診断では、「早期空腹時血糖値」や「ブドウ糖負荷による血糖値」
が用いられていましたが、2010年頃から糖尿病診断の基準に加わったのが
「ヘモグロビンA1c」です。
なぜ、「ヘモグロビンA1c」が診断基準となったのでしょうか…
糖尿病の判断基準としては血糖値の正常値は、
空腹時血糖値が70~110mg/dL
食後2時間では140mg/dLとなっています。
空腹時血糖値が110mg/dLを超えている。
食後2時間の血糖値が140mg/dLを超えている。
これが糖尿病・糖尿病予備軍の危険サインです。
しかしながら、血糖値だけで判断するには難しい場合があります。
例えば
「空腹時の血糖値は110mg/dL未満では正常ですが、食後2時間後は200mg/dLで異常になる。」場合、
日々の血糖値は食事のメニューや食事の量によっても大きく変化します。
また、運動した後やその日の体調によっても上下します。
そのため、血糖値だけでは中々判断するのが難しい状況がありました。
そこで、注目されたのが「ヘモグロビンA1c」です。
ヘモグロビンA1cは( 4.6~6.1% )が正常値です。
ヘモグロビンA1cは直近の2ヵ月の血糖コントロールの数値です。
ヘモグロビンA1cは、昨日、今日の血糖値の上がり下がりではなく、
直近の1~2ヶ月の血糖コントロールの状態が反映された数値です。
そのため、ヘモグロビンA1cの数値を確認すれば現在の糖尿病の状態が分かり、
改善に向かっているかどうかの判断ができるわけです。
そして医師は、ヘモグロビンA1cの数値で患者が
「この1ヶ月~2ヶ月間どんな食生活や生活習慣をしていたか?」が分かります。
このことから、医師は「ヘモグロビンA1c」を重要視するのです。
薬によりヘモグロビンA1cは下がります。
糖尿病と診断されて薬を処方された場合、2ヵ月に一度くらいの定期的な診察を行います。
その際に、血液検査を実施します。
ヘモグロビンA1cの数値の上下によって、薬の処方も変わってきます。
数値が上昇傾向にあると、強い成分の薬が処方されることが多く、
ヘモグロビンA1cは処方された薬を飲むことにより下がります。
そして、数値が高くなると、より強い薬が処方されます。
そうすると、ヘモグロビンA1cが下がります。
このようなサイクルでは徐々に薬が増えていき、
最終的にはインシュリン注射が必要になるケースもあります。
ですので、ヘモグロビンA1cを一定の数値で安定させることが大切。
飲んでいる薬がこれ以上強くならないためにもヘモグロビンA1cを維持が大事。
血糖値を知ることが第一歩です。
日々の血糖値を安定させるでヘモグロビンA1cは下がります。
毎日、血糖値を測ることで自分にあった食生活が分かってきます。
血糖値測定器で食前と食後2時間の血糖値を測ってみてください。
1週間続けると、ご自身の血糖値の傾向が把握できます。
そうすれば、日々の血糖値を安定させることができ、
薬に頼らずヘモグロビンA1cを下げることができますね。