厚生労働省『新型コロナウイルス感染症診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント第1版』(2022.4.28)によると、新型コロナウイルス感染症後の不快な症状の頻度は、海外での 45 の報告を統計的にレビューした文献の結果から約 72%であり、さらに半年以上が経過しても約 56%の方が何らかの症状に悩まされていることがわかっているとのことです。
オミクロン株に感染した後の症状は、デルタ株とは異なり、咳嗽などの呼吸器症状、倦怠感などの全身症状を訴える方が多いとのことです。
一般社団法人日本東洋医学会のホームページでは、
「新型コロナウイルス感染症に関する学会主導の臨床研究」(http://www.jsom.or.jp/medical/covid/index.html)というサイトが開設されています。
サイト内には「COVID-19 漢方治療症例報告」もあり、これまでの論文のタイトルなどを確認することができるようになっています。
最近では急性期治療だけでなく、感染後の後遺症に対する報告もあり、
漢方治療による症例も増えています。
漢方薬は古くから病後の回復補助に利用されてきました。(コタロー通信456号より)
下段に、病後の体調回復におすすめの漢方薬・生薬製剤を一部紹介いたします。
体力回復・・・基本方剤⇒ 補中益気湯、十全大補湯、 生脈散(麦味参顆粒)など…
長引く咳・・・蘇子降気湯(平喘顆粒)、八仙丸、麦門冬湯など…
不眠・・・帰脾湯(心脾顆粒)、
酸棗仁湯(動悸、不安感があり、心身ともに疲れている場合)など…
抑肝散加陳皮半夏(イライラして眠れない)
三物黄芩湯(わけもなく覚醒して眠れない場合)など…
脱毛(血虚による)・・・十全大補湯、婦人宝など…