お知らせコラム

男性更年期障害

疲れが取れない、なんだかイライラする…
中年男性で損な不調が続いている人は「更年期障害」かもしれません。
女性に比べまだ認知度の低い症状ですが、最近では男性更年期外来のある医療機関も増えました。
不調に悩む人はこの機会に自分の体と向き合い、適切な対処で辛い症状を緩和しましょう。
・「腎」の衰えが更年期の不調を招く
「男性更年期障害」は、男性ホルモン」の低下によって起こる様々な不調の総称。「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」とも呼ばれています。
テストステロンが低下する年齢は、40歳以降が目安。女性ホルモンが閉経前後の約10年で急激に減るのに対し、男性ホルモンは加齢と共に穏やかに減少していきます。そのため、更年期の症状が現れるタイミングにも個人差があり、高齢になるまでどの年代でも起こる可能性があります。
また、女性ホルモンは急激に減ってその後落ち着きますが、男性ホルモンは穏やかに減り続けるため、更年期症状に終わりが見えにくいことも特徴です。
中医学では、男性更年期障害は「腎」の虚弱が主な要因と考えます。腎は生殖やホルモン分泌と深くかかわり、生命エネルギーの源「精」を蓄える臓器。そのため、加齢で腎が弱くなると男性ホルモンの分泌や性機能に影響し、心身に様々な不調が現れるようになります。
また、ストレスによる「肝」の不調、「脾胃(胃腸)」の虚弱なども、更年期の不調を引き起こします。
更年期障害の治療は、西洋医学ではホルモン補充療法が一般的。一方、中医学では体質を根本から整え、身体本来の力を高めることが基本となります。原因がはっきりしない様々な不調も改善が期待できるので、更年期障害に適した対処法とされています。

男性更年期障害の症状
・身体の症状
筋力低下、疲労・倦怠感、関節痛、筋肉痛、火照り、多汗、めまい、頻尿、肥満、性機能低下(ED)
・心の症状
興味の意欲の消失、イライラ、不安、うつ、不眠、集中力・記憶力の低下、性欲の低下

「男性更年期障害」の体質ケア
男性ホルモンの減少は、生活習慣病のリスクを高めることも。
いつまでも元気に過ごすためにも、更年期の不調を感じたら積極的に身体を整え、心身の健康を保ちましょう。

基本の養生・・・「腎」を強くする
「腎」は生命活動の源泉ともいえる臓器。人の成長や生殖、ホルモン分泌、自律神経、免疫などと密接にかかわり、生命エネルギーの源「精」を蓄えています。その分、加齢による影響を受けやすく、年齢と共に自然とその機能は衰えるように。その結果、中高年になると男性ホルモンの分泌量が低下し、精の蓄えも減少して、心身の活動力の低下、性機能の衰えといった更年期の不調が現れるようになります。
年齢的には、男性は8年周期で身体に変化が訪れると中医学では考えます。これは年齢による腎の状態から見えたもので、男性は40歳を境に腎が衰えはじめ、48歳、56歳ころに衰えが目立つように。男性ホルモンも40代から減少していくため、意識して腎の働きを整え精を補うことが大切です。
気になる症状…性機能の低下、性欲低下、めまい、耳鳴り、物忘れ、不眠、動悸、眼精疲労、抜け毛、白髪、足腰がだるく痛い、舌の色が淡い
腎陰虚の人は:火照り、ねあせ(潤い不足で熱を冷ませない)
腎陽虚の人は:手足の冷え(体を温めるよう気が足りない)

プラスの養生
「肝」や「脾胃(胃腸)」の不調も、更年期の症状を招く要因に。
当てはまる症状があれば、「腎」の養生と合わせてしっかり対処しましょう。

・「肝」の働きを整える(ストレスが多い人)
「肝」にはストレスを発散させ、「気(エネルギー)」をスムーズに巡らせる働きがあります。そのため、過剰なストレスなどで肝がダメージを受けると、ストレスにうまく対処できず、気の流れも滞りがちに。その結果、気のエネルギーが停滞してイライラ、のぼせといった更年期の不調が起こりやすくなります。
また、気は血と一緒に流れているため、気の停滞が続くと「瘀血(血行不良)」を招くことも。すると、脳への血流も悪くなり、物忘れ、不安感などの不調に繋がります。
ストレスはテストステロンを減少させる要因にもつながるため、なるべくため込まないことが大切。更年期の不調もあまり気にし過ぎず、気持ちを穏やかに保って肝の働きを守りましょう。

・「脾胃」を元気にする(疲労、肥満が気になる人は…)
「脾胃(胃腸)」は、体のエネルギーや栄養となる「気」「血」を生み出す臓器。そのため、脾胃の働きが弱いとき血の不足を招き、からだ全体の元気が失われて疲労感、やる気が出ないといった更年期の不調が現れやすくなります。
また、脾胃が弱いと水分代謝も落ちるため、体に「痰湿(余分な水分や汚れ)」が溜まりがちに。その結果、肥満気味、体が重いといった不調を招くこともあります。元気な脾胃でしっかり栄養を取ることは、心身の健康を保つ基本。暴飲暴食、冷たい飲食などは避け、年齢に応じたバランスの良い食事を取るように心掛けることが重要です。

暮らしの養生
テストステロンの分泌量は、生活習慣の影響で変わることがわかっています。「健康的な生活」を意識することで更年期の不調緩和につながるので、この機会に日常生活を見直してみてみましょう
・食事は3食しっかり、たんぱく質、ネバネバ食材などを意識して取りましょう。
・12時には就寝し、睡眠を十分にとって。テストステロンは眠っている間(特に夜中1から3時ごろ)に分泌されます。
・ストレスは更年期の大敵。趣味やおしゃべりを楽しんで気持ちをリラックスさせましょう
・1日10分程度の筋トレなどを習慣に。筋肉を使うとテストステロンの増強につながります。
・適度な競い合いはテストステロンの分泌を促します。スポーツやゲームを楽しんで。

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