お知らせコラム

睡眠時間が6時間未満の人は・・・2型糖尿病のリスクが増加傾向に。

糖尿病を悪化させる2大要因はご存じのとおり、「糖質の過剰摂取」と「運動不足」です。そのため、ご飯やパン、ラーメンにパスタなど炭水化物を控えめにしたり、食事の後には散歩や筋トレを取り入れながら糖尿病を改善するための生活を心がけている方も多いでしょう。
しかし、食事内容を工夫したり運動をしているのに、なかなかヘモグロビンA1cが下がらず、糖尿病が改善しない場合には、意外にも日常的な睡眠不足が関係しているかもしれません。
睡眠時間が6時間未満の人は2型糖尿病のリスクが上昇、食事や運動と比べるとあまり重要視されないのが「睡眠」ですが、実は「睡眠」と「血糖値」には深い関係があります。
韓国のソウル大学医学部の研究チームが13万人以上を対象に調査した結果では、睡眠時間が6時間未満の人は2型糖尿病リスクが上昇することが分かりました。また、米国コロラド大学では、36人の健康な男女を対象に以下のグループに分けた研究が行われました。
・Aグループ:毎晩9時間寝た
・Bグループ:毎晩5時間だけ寝た
・Cグループ:最初の5日間は5時間、週末は好きなだけ寝て、再び2日間は5時間だけ寝た。
その結果、やはり睡眠不足に陥ったBグループとCグループにインスリン抵抗性が高まるという結果が出ました。睡眠不足によって崩れたホルモンバランスの影響について睡眠不足になるとホルモンバランスが崩れてしまい、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが分泌されインスリン抵抗性を高めます。
また、不眠によって食欲を抑制するレプチンというホルモンが減ってしまい、食欲を増進させるグレリンが増えます。それにより、肝臓の糖産生を促進させて血糖値を上昇させるオレキシン濃度を高めます。そのため「たかが睡眠不足」と侮って、睡眠を疎かにしてしまうと血糖値のコントロールが非常に難しいものになってしまいます。
とはいっても、朗報もあります。たしかに睡眠不足は2型糖尿病リスクを高めてしまいますが、逆に睡眠不足を解消することによって、空腹時血糖値の低下や基礎インスリン分泌能力の増大を得られ、2型糖尿病リスク低下することが明らかになっています。糖尿病が睡眠の質を低下させている可能性について「睡眠不足は糖尿病を悪化させることは分かっているし、夜はしっかりと寝たいと思っているけどよく眠れない」という声も良く聞きます。
たしかに、糖尿病体質の場合には視床下部→下垂体→副腎系が活性化しやすく睡眠の質が低下してしまうことが分かっています。
また、口渇や夜間頻尿、手足のシビレや痒さなどの症状があったり無呼吸症候群などを併発していると、どうしても不眠になってしまいますし、健康に対する不安感なども不眠の原因になります。つまり、「睡眠不足によって糖尿病が悪化」していることが考えられますが、「糖尿病が悪化しているため睡眠不足が起こっている」という可能性もあり、もし、夜はあまり眠れないと感じている場合には、双方の悪いサイクルに陥ってしまっているかもしれません。
睡眠不足を解消して糖尿病を改善するために人間にとって睡眠は、脳や身体の疲れをとったり、免疫力を向上させたり、記憶や感情を整理するなど心身の健康にとても重要な役割を果たしています。また、睡眠はホルモンバランスに大きく影響を与えるため、血糖値をコントロールし、糖尿病を改善させていくためには十分な睡眠時間を確保して、質の良い睡眠をとることがとても大切です。とはいっても、「寝なきゃ、寝なきゃ」と考えるだけでよく眠れるわけではありませんので、睡眠不足の要因となってしまっているかもしれない習慣を見直して少しずつ改善していきましょう。
・毎日寝る時間がバラバラ⇒毎日規則正しい時間に寝ることで体内時計を整える
・夜遅い時間にご飯を食べてしまっている⇒就寝の最低2時間前には食事を済ませておく
・就寝前にカフェインの多いコーヒーやお茶を飲んでいる⇒就寝前はコーヒーやお茶は避けてお水を飲むようにする
・ベッドに入ってからもスマホをいじったり、動画を視聴してしまっている⇒ベットではリラックスを心がける
など…出来るところから見直していきましょう。

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