お知らせコラム

虚弱体質、寝汗に・・・玉屏風散(ぎょくへいふうさん)

玉屏風散は、日頃から風邪をひきやすい方や、疲れやすい方、
汗をかきやすい方におススメの方剤です。
また、体質改善を期待して、花粉症やエネルギー性鼻炎などにも応用されます。
東洋医学では、皮膚表面には衛気というエネルギーが流れ、体表をウイルス・細菌・花粉などの外邪から守っていると考えます。
衛気は今の免疫力に近い概念で、その働きが低下すると、風邪をひきやすくなる、暑さ・寒さに弱くなる、汗をかきやすくなるなどの症状が現れます。
玉屏風散は、「東医宝鑑」にも引用されている「医方類聚(いほうるいじゅ)」という韓国の医学書に記載されている方剤です。
衛気の機能を回復させる働きがあり、屏風(びょうぶ)という名の通り、外的要因から体を守る目的で用いられます。

・玉屛風散に含まれる黄耆(おうぎ)のはたらきについて
中国原産、マメ科の多年草で、夏には穂状に黄色い花を咲かせます。黄耆の「耆」は長老を意味し、補剤の長であるということからの命名とされています。日本薬局方では、キバナオウギ、ナイモウオウギ、またはその同族植物としていて、日本に輸入される黄耆のほとんどはキバナオウギです。この根を乾燥したものが生薬の黄耆で、成分としてはマメ科植物に多いイソフラボン類(ホルモノネチン)などを含みます。
黄耆は、強壮・利尿・止汗・血圧降下の働きがあるとされ、消化器系や呼吸器系の機能低下、むくみ、多汗を改善する目的で用いられます。食欲不振に用いられる補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や、寝汗や体力の回復に使用する玉屏風散・黄耆建中湯、むくみや多汗症に用いる防己黄耆湯などの漢方薬に配合されています。

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