お知らせコラム

その血糖値スパイクはもしかして「朝食抜き」が原因…血糖値の安定に欠かせないセカンドミール効果について

最近では朝は忙しかったり、食欲がわかないことを理由に朝食を食べない人が増えているようです。また、血糖値が上がらないため痩せたり、糖尿病が改善されるはずだと思いお腹が空いているのに我慢して食べないようにしている人もいるかもしれません。
たしかに、朝食を抜くことで1日の総カロリーや摂取する糖質量を抑えることができますし、食べない時間を確保することで内臓を休めることができるなどのメリットもありますが、実は、朝食を抜いてしまうとセカンドミール効果が得られないため血糖値スパイクが起こりやすく、糖尿病が悪化したり、動脈硬化を進行させて心臓病の発症リスクが高まるので注意が必要です。

血糖値の安定に欠かせないセカンドミール効果とは?
セカンドミール効果とは、GI(食後の血糖値の上昇を示す指標)を提唱したことで知られているジェンキンス博士が発表した概念で、最初にとった食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値に影響を及ぼすことを言います。
通常の場合、1日3食、規則正しい食事をとったときにはインスリンとインスリン拮抗ホルモンの分泌が適量なため血糖値も緩やかな曲線で安定しています。しかし、朝食を抜いてしまうとセカンドミール効果が得られないために昼食前に血糖値が極端に下がった状態になってしまい、その後の食事で血糖値スパイクが起こりやすく(血糖値の急上昇と急降下)、膵臓に大きな負担をかけ、糖尿病を悪化させてしまいます。
また、ある研究では、夕食と翌日の昼食までの空腹時間が長時間になるとすい臓がインスリンを分泌するという役割を忘れるという現象がおこり、結果として1日の血糖値が上昇しやすくなります。さらに、長時間の空腹は、インスリンの働きを弱める血中の遊離脂肪酸を増やしてしまうことにもつながります。糖尿病の食事療法の基本は血糖値を安定させること糖尿病の食事療法の基本は、過食や偏食を避け、規則正しい食事をしながら血糖値を安定させることです。そのため、朝食を抜いて摂取カロリーを減らそうと考えるのではなく、1日に必要なカロリーを3回に分けて、なるべく均等に食べるようにすることが大切です。
もちろん、朝は空腹の状態ですので、朝からどんぶりいっぱいのご飯を食べてしまったり、はちみつたっぷりの食パンを食べてしまえば当然血糖値は急上昇してしまいます。ですので、朝食は食物繊維が豊富な玄米や全粒粉のパンを選んだり野菜や海藻類を先に食べて、魚などの蛋白質でカロリーを摂取するように心がけましょう。
朝食は早めの時間にとって3食の間隔を均等に朝食は抜かずに食べたほうが良いです。とは言っても、朝食が9時や10時といった遅い時間になってしまうと上昇した血糖値が十分に下がる前に昼食を食べることになってしまいセカンドミール効果も薄まってしまいます。
実際に米国分泌学会では、朝食は遅い時間よりも、早い時間に食べたほうが2型糖尿病に関連する代謝が良くなるという研究が発表されています。1万575人が参加した研究では、午前8時30分の前か後かで2分して比較検討した結果、午前8時30分以前に朝食を食べる人のほうが空腹時血糖値が低くインスリン抵抗性になりにくいことが分かっています。
たとえば、朝食を早めの朝6から7時に取ることで、12時の昼食までの時間も5から6時間開けられます。また、夕食を18時前後にとれれば、3食の間隔も均等になります。さらに、睡眠までに十分な時間が取れるため、睡眠の質が高まりホルモンバランスも整いますので、糖尿病の改善につながります。

糖尿病を改善するために有効なSMBGとは?
SMBGとは、日本語で血糖自己測定のことです。米国糖尿病教育者協会では、SMBGが糖尿病の方の行動を適正化し、自己管理への理解を深めるという調査結果を発表しています。血糖値は1日を通して上下していますし、食事内容や食事する時間帯などによっても大きく変化します。そして、人それぞれ体質やその日の体調などによっても変化の度合いも違いますので、糖尿病を改善するためには
・「どのような内容の食事をしたとき」
・「どの時間で食事をしたとき」
・「どのような体調のとき」
自分の血糖値がどのように変化して、現在の血糖値がどのくらいなのか?を、把握することがとても重要です。
糖尿病には規則正しい食事が重要なのですね。

タイトルとURLをコピーしました