お知らせコラム

ビタミンD不足

ビタミンDには骨や筋肉を強くし、感染症を防ぎ、糖尿病のリスクを下げるなど、多くの効用があります。ところが最近はビタミンD不足の人が急増しています。紫外線が弱い季節こそ、積極的に日光を浴びることが大切です。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し「骨を作るビタミン」として知られています。ビタミンDがないとカルシウムを吸収できないので、いくらカルシウムをとっても骨が強くなりません。そのため骨折や骨粗鬆症のリスク方くなります。
ビタミンDの作用はそれだけではありません。最近は風邪やインフルエンザなど、感染症の予防効果が注目されています。風邪についての予防については明確なエビデンスがあります。
・ビタミンDの値が低い人はコロナにかかりやすく、重症化しやすいことが確認されており欧州20ヵ国で新型コロナウイルスの感染者を調べたところ、ビタミンDの血中濃度が低いと重症化しやすく、死亡率が高くなっているとのことです。(ビタミンに詳しい満尾クリニック院長)
不足するとアレルギーも起こりやすくなります。「ビタミンDは制御性T細胞を増やすことで免疫の暴走を抑え、調整する作用があります。それでコロナの重症化も抑えるかもしれないとのことです。
それだけでなく、乳がん、大腸がんの発症リスクが高くなることも分かっており、筋力が低下し、うつ病にもなりやすくなります。米国で約900人を12年間追跡した研究によると、ビタミンDの血中濃度が最も低いグループはもっとも高いグループに比べて糖尿病の発症率が5倍も高かったとのことです。ビタミンD不足はLDLコレステロールが高いようなもので何も自覚症状がなくても、病気になるリスクは確実に高くなるとのことです。
最近の日本人はビタミンD不足が問題となっています。2013年に報告されている調査では、実に81.3%もの人がビタミンD不足とのことです。ビタミンDは魚に多く含まれ、皮膚に紫外線が当たることでも合成されます。現代人はあまり魚を食べず、日光にも当たらなくなったせいかもしれないとのことです。特に出産を控えた若い女性のビタミンD不足は深刻です。
「昔に比べて母乳のビタミンD濃度が低くなっており、くる病の子供が増えているとのことです。」(神戸学院大学栄養学部 田中清教授)
厚生労働省もビタミンDを重視するようになってきており「日本人の食事摂取基準」では2020年度版から5.5マイクログラムだった大人の1日の目安量を8.5マイクログラムに上げました。それでも世界的に見れば少なく、米国の推奨量は15マイクログラムと2倍近いです。
ビタミンDが突出して多い食品は魚です。サケ、マグロ、イワシ、ニシンなど、脂が乗った大きな魚に多く含まれています。干し椎茸にも多いとされているが「サケ100gに含まれるビタミンDを取るには60個も食べなければいけなくなります」そのうえ、生理活性が低いビタミンD2(魚はD3)で効率で効率が悪いです。紫外線の強い夏、例えば7月下旬の関東地方なら10分ほど顔と両手に日光を浴びるだけで10マイクログラムのビタミンDがつくられます。ある程度日光をあたることを心がけることが重要です。(日経11/19)

ビタミンDの効用
・腸からのカルシウムの吸収を促進し、骨を強くする。
・筋肉の合成を促す。
・免疫機能を調節する
・乳がん、大腸がん、糖尿病のリスクを下げる。
・新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ
ビタミンDが不足すると
・くる病(こども)や骨軟化症(成人)になる
・骨折や骨粗鬆症のリスクが高くなる
・筋力が低下する
・感染症にかかりやすくなる
・アレルギーを起こしやすくなる
・うつ病になりやすい

ビタミンDを多く含む魚
サケ:一切れ100g中 32マイクログラム
ニシン:一切れ100g中 22マイクログラム
うなぎ:一串100g中 19マイクログラム
さんま:一尾100g中 16マイクログラム
いわし:中一尾50g中 16マイクログラム
カレイ:一切れ100g中 13マイクログラム

日光に当たって10マイクログラムのビタミンDを作るのに必要な時間
(11月下旬、昼間に顔と両手だけ露出して外出した場合)
札幌:150分
つくば:60分
名古屋:50分
大阪:45分
宮崎:30分

 

 

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