お知らせコラム

重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症のご紹介(コタロー通信より)

甘草に関連した副作用、偽アルドステロン症や低カリウム血症は、弊社の副作用対応部門への問い合わせの中で、よく受けるものの一つとのこと。
今回は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)のウエブページに掲載されております「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」の要点をご紹介とのこと。
1 偽アルドステロンの症状はどんなものが多い?
・「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」がみられ、これらに加えて、「力が抜ける感じ(脱力感)」、「こむら返り」、筋肉痛が現れ、ひどくなってきた場合には、歩行困難や起立不能となり入院となる例が多いようです。他にも「血圧が上がる」場合や「むくみ」が出ることもあるとのこと。
2 症状が出るまでの時間、男女、年齢、体格の差、早期発見の手段は?
・おくすりの使用期間と発症には一定の傾向が見られないものの、3 か月以内に発症したものが約 40%を占めているとのことです。
・日本の統計で、性別では男性 1:女性 2 と男性よりも女性の発症が多く、発症年齢は 29~93 歳(平均 64 歳)、全体の 80%が 50~80 歳代で、低身長や低体重など体表面積が小さい方や高齢者に生じやすいとされております。
・早期発見には、定期的な血液検査での血清カリウム値のチェックや心電図測定が重要とされています。
3 「偽アルドステロン症」又は「低カリウム血症」の副作用報告が多い漢方薬は?
・直近 10 年間(2010-2020 年)にPMDAへ副作用として報告された上位 10 位の医薬品のうち、関連する漢方薬は、芍薬甘草湯、抑肝散、補中益気湯、六君子湯、葛根湯、大黄甘草湯、十全大補湯、桃核承気湯で、甘草配合量によらず、対象疾患が広く、処方件数の多い医薬品で副作用報告がされているとの考察でした。
参考に、小太郎漢方の約 10 年間(2010-2022 年)の副作用集積記録から、甘草に関連する事例を調べてみました。副作用報告をいただいた、偽アルドステロン症や低カリウム血症の記録 10 件では、手足のむくみやしびれ、筋肉痛、倦怠感や脱力といった症状がみられ、50 歳以上の女性が多く、ご紹介したこのマニュアルの内容に近い傾向とのこと。
報告をいただいた漢方薬は、マニュアルでも記載があった芍薬甘草湯の他、抑肝散加陳皮半夏、麦門冬湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、甘露飲、桂枝加芍薬湯、九味檳榔湯とのこと。小太郎漢方への問い合わせに対し、偽アルドステロン症はまれな症状であるとのこと。丁寧に説明することで、安心いただくことも多いとのことです。
患者さんやお客さまへ、おくすりについて説明する際の参考となれば幸いとのことです。

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