食事や運動、喫煙などに関係して発症する「生活情療」。
代表的なものが、「3大生活習慣病」といわれる、がん(悪性新生物、上皮内新生物)、心疾患(急性心筋梗塞、狭心症、心不全など)、脳血管疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)です。
厚生労働者の「令和2年(2020年)人口動態統計」によると、がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患の3つで死因の約50%を占めています。
また、「3大生活習價病」に高血圧性疾患(高血圧症、高血圧性心不全など)、糖尿病、肝疾患(肝硬変、肝炎、脂肪肝など)、腎疾患(尿管結石、慢性腎不全、腎盂炎など)を加えたものを「7大生活習慣病」といい、さらに、膵疾患(慢性膵炎など)を加えたものを「8大生活習慣病」といいます。
生活習慣病は骨の健康にも影響を及ぼす
糖病が骨を弱くする・・・
生活習慣病は骨の健康に影響を及ぼすことが知られていますが、中でも、骨粗しょう症と関係が深いのが糖尿病です。インスリンには骨をつくる骨芽細胞を増やす作用があるため、糖尿病になってインスリンの作用が低下すると、骨の新陳代謝において「つくる」よりも「壊す」働きの方が強くなり骨密度が低下します。また、インスリンには腎職でビタミンDを活性型ビタミンDにする働きがあります。活性型ビタミンDは腸管におけるカルシウムの吸収に欠かせません。
インスリンの作用低下や分泌量不足がある糖尿病では、食事でカルシウムを摂っても吸収されにくくなってしまうのです。さらに、血糖値が高い状態が続くと、尿の量が増えてカルシウムの排泄量も増えます。
すると、体内のカルシウム不足を骨のカルシウムで補うことになり、骨密度はますます減少してしまいます。糖尿病は骨密度を低下させるとともに、骨に含まれるコラーゲンの劣化を引き起こします。コラーゲンが劣化すると骨質が低下し、骨のしなやかさや強さが失われるため、骨折しやすくなるのです。
血液がドロドロになって骨代謝にも影響を及ぼす脂質異常症・・・
血液中にふくまれるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質が多くなる脂質異常症。脂質異常症が進むと、下肢の血流が悪くなって、しびれや冷え、痛みが現れる閉塞性動脈硬化症や、胆汁に含まれるコレステロールが増加して生じる胆石、激しい腹痛が起こる急性膵炎などが生じやすくなります。また、骨の代謝にも影響を及ぼして、骨質を低下させます。
(参照:iihone.jp→骨の健康に影響する生活習慣病)
”一無二少三多”で生活習慣病を防ぐ
毎年2月は『全国生活習慣病予防月間』です。日本生活習慣病予防協会が掲げる「全国生活習慣病予防月間」の基本テーマは“一無二少三多”。
まず、「一無(いちむ)」とは無煙・禁煙のこと。
次の「ニ少(にしょう)」は、少食・少酒のことです。
アルコールは1日20gまで(日本酒に換算して一合程度)の摂取が望ましいとされています。
最後に、多(さんた)とは、体を多く動かし(多動)、
しっかり休養をとる(多休)、多くの人、事、物に接する生活(多接)のこと。
多くのものに触れ、メリハリのある生活を過ごすことが健康長寿には欠かせない要素です。
(参照:日本生活習償病予防協会HP→ 全国生活習慣病予防月間 2023)
ダイワホットライン(2023.2)