お知らせコラム

新型コロナウイルス感染症の後遺症(その2)

感染確認から 4 年目となり、多くの人々が感染した新型コロナウイルス感染症。
昨年のコタロー通信 にて、その後遺症について紹介をさせていただきました。
変異株によって主な症状に変化も見られ、今回は、その後の新型コロナウイルス感染症の後遺症(以下、コロナ後遺症と略)について、概要*1のご紹介をいたします。
コロナ後遺症による相談窓口への相談者は、年齢、基礎疾患の有無やコロナ罹患時の重症度に関わらず、後遺症に関する相談が寄せられています。
広島県のネットでの調査(対象:コロナ患者 954 人)*2では、全年代の 1/3、40代、50 代では半数以上にコロナ後遺症が認められ、肥満、基礎疾患のある方、喫煙者で割合が高くなっています。
感染時に重症の人は、軽症の 2 倍近くの 6 割の人で後遺症が見られています。
デルタ株以前は、嗅覚障害、倦怠感、味覚障害の順で多く、オミクロン株では、せき、倦怠感、味覚障害、嗅覚障害の順と、変異株により傾向に差がみられます。
また、先の調査では、最もつらい症状として、倦怠感、息切れ・息苦しさ、せき、嗅覚障害、味覚障害の順で多く、長期にわたって症状が続く方もみられます。
WHO(世界保健機関)では「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも 2 か月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの」とコロナ後遺症を定義しています。しかし実際の患者では、コロナ療養終了直後から症状に困られて来店されることが予測されます。来店のきっかけとなる症状、ちょっと変わった症状として、強い倦怠感やブレインフォグ(Brain fog:集中力不足、精神的疲労、不安など)、コロナ罹患時から継続するせきなどが報告されています。コロナ療養終了後、仕事に復帰したが、「せき」「息苦しさ」「疲労感」が 1 か月以上続くため、医療機関を受診。漢方薬、咳止め薬が処方され、症状が改善したとの報告があります。症状は時間の経過とともに改善する傾向がありますが、長期に渡って症状が続く場合は、不安になってお店に相談に見えられる方が増えるとかんがえられます。
疲れ過ぎて反って眠れない、朝起きられないなどの睡眠障害には心脾顆粒(帰脾湯)、
体が重くて沈み込むような倦怠感には補中益気湯や十全大補湯など、
お困りの症状に合わせた漢方薬をお選びいただけると幸いです。
参考
*1:東京都リーフレット「新型コロナウイルスの後遺症について」(第 2 版)
*2:広島県新型コロナ後遺症(罹患後症状)の実態調査結果と相談・診療体制について

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