乾姜(カンキョウ)は、『日本薬局方』に「ショウガ Zingiber officinale Roscoe(Zingiberaceae)の根茎を湯通し又は蒸したもの」と規定されております。
乾姜は、生姜(ショウキョウ)と同じ「ショウガ」を基原としますが、湯通し又は蒸すという加熱処理されている点が生姜とは異なっております。
生姜には、辛味成分の[6]-ギンゲロールが多く含まれております。
生姜に熱を加えて乾燥する過程で、[6]-ギンゲロールから同じく辛み成分である[6]-ショーガオールが生成されます。そのため、湯通しや蒸すことで熱を加えた乾姜には、[6]-ショーガオールが多く含まれております。[6]-ショーガオールは[6]-ギンゲロールよりも辛みが強く、体を温めて血行を改善する効果がより強いとされております。
乾姜の配合されている処方の一つに芎帰調血飲第一加減がございます。
本方は、『万病回春』を原典とする芎帰調血飲に、芍薬、桃仁、紅花、枳実、桂皮、牛膝、木香、延胡索を加えた配合となっており、弊社では『漢方一貫堂医学』(矢数格 著)を出典としております。
生薬数が21種類ととても多く、体を温める生薬が多く使われており、補血・活血の妙薬である当帰、川芎に、乾姜、桂皮が加わることで温裏作用がより一層高められております。
芎帰調血飲第一加減は、気のめぐりを良くし、血行を改善することによって、産後や更年期などの体調を整えます。
月経異常、子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害、血の道症などの婦人科疾患に応用されるほかに、頭痛、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴え、血のめぐりが悪く、冷えているタイプの方にも広く用いられます。
小太郎漢方では、細粒剤の芎帰調血飲第一加減エキス細粒G「コタロー」と錠剤のキュウキインN「コタロー」がございます。
血の道症や体が冷えてつらい症状の方にお役に立ては幸いです。(コタロー通信)