お知らせコラム

介護一歩手前!「フレイル」とは?

介護一歩手前!「フレイル」とは?
45歳を過ぎると1年に約1%ずつ筋肉の量が減っていき、75歳を超えると減る割合はより大きくなります。筋肉量の減少は「サルコペニア」と呼ばれます。ギリシャ語で筋肉を意味する「サルコ」と、減少を意味する「ペニア」を組み合わせた造語で、1980年代後半に米国の研究者が提唱しました。「サルコペニア」より、さらに運動機能や認知機能等、生活機能が低下した段階は「フレイル」と呼ばれます。フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty」から来ています。 健康な状態と要介護の中間的な段階で、日本老年医学会では、75歳以上の多くはこの段階を経て要介護状態に陥るとしています

フレイルの発症予防
フレイルの予防には、ラジオ体操、散歩、スクワットなどの運動が有効です。30~60分程度の日光浴は、ビタミンDの合成を誘導して、カルシウムの吸収や、カルシウムが骨や歯に沈着するのを助けます。なお、1〜1.2g/kg/日のタンパク質の摂取は、骨格筋量を増加させるため、運動と併用するとより効果的です。なお、ロイシンは必須アミノ酸のなかでも、筋肉量の維持・増加につながるタンパク質同化作用が強いことが知られています。歯磨き、義歯の清掃などの口腔ケアや人との交流も、フレイルの発症予防に有効です。(#R: New Food Industry 2023 Vol.65No.1「老化とフレイル -フレイルに対処するには」)

噛む力と健康余命との関連
口腔は、食べ物を噛む(咀嚼)だけでなく、音を作り出したり(構音)、安全に飲み込んだり(嚥下)多様な機能を有しています。栄養状態や全身の健康にもつながっているため、口腔機能が低下している人は、サルコペニアやフレイルになるリスクが高いと言えます。高齢者約700人を対象に行われた調査では、「よく噛めない人」は、「よく噛めている人」と比べて、エネルギー、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの摂取量が5〜10%低い結果となりました。食品群別にみても、「よく噛めない人」は野菜類、海藻類、魚介類、肉類等を食べている量も10~15%少ないことが分かっています。噛めないことで柔らかい食品を選んで食べるようになり、それがさらに口腔機能の低下につながり、栄養の摂取に影響をもたらす「口腔機能の負のC連鎖」と言えるものです。65歳以上の高齢者5,000人を対象とした調査によ。ると、「ささいか・たくあん」くらいの固さの物が噛める人は、そうでない人に比べて、すべての年齢群で健康余命が長いことも分かっています。
(参照:東京都介0護予防・フレイル予防ポータル→予防のポイント+1「お口の健康(口腔)」)

タイトルとURLをコピーしました