お知らせコラム

桜皮(おうひ)

桜皮(おうひ)
俳句の三大季語「雪月花」の「花」は桜を指します。日本の象徴的な花、桜は500以上の種類があり、その代表格が染井吉野です。江戸染井村の植木職人が作った交配種で、江戸時代後期に生まれた比較的新しい品種です。古来、詩歌に詠まれた桜は山桜のことで、薬用にも山桜が用いられます。
桜の花や実は食用に、堅い材は家具や楽器などに、光沢のある樹皮は細工物に、高い香りは燻製のチップにするなど、広く利用されていて、江戸時代の民間療法では、山桜の樹皮を痢疾、食毒、熱病、腫れものなどに使っていました。
生薬の桜皮は山桜の樹皮を乾燥したもので、中国では使用されていない日本独自の生薬です。サクラネチンというフラボノイドが含まれています。主な働きは鎮咳・去痰、排膿。華岡青洲が皮膚の化膿症状を治す薬として十味敗毒湯を創るときに用いました。

タイトルとURLをコピーしました