升麻(しょうま)
「信州や東北、北海道で初秋の草原を華やかに飾る花」と木村孟淳氏はサラシナショウマについて述べておられます。漢字では「晒菜」と書き、若葉を茹でて水に晒して食用にしていたことが語源です。サラシナショウマはキンポウゲ科で茎の高さは1メートルを越えるものもあります。夏、咲かせる細長いブラシのような白い花は山林や草原でよく目立ちます。
サラシナショウマは日本でも生育しますが、市場にはほとんど流通することはありません。主に中国産の升麻が薬用として利用されています。
生薬の升麻は秋に根茎を掘ってひげ根を取り日光で乾燥させます。「神農本草経」では「百毒を解す」と記されていますが、金、元以後は升提作用(気を上に持ち上げる作用)、胃腸の消化機能を高める作用を重視しています。配合処方には、補中益気湯、乙字湯、紫根牡蛎湯、麗沢通気湯加辛夷などがあります。