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クコ(枸杞)について

クコ Lycium chinense Miller はナス科の落葉低木で、夏から初秋にかけて紫色の小さい花を咲かせ、秋に 1~2cm 程度の赤い果実をつけます。クコは様々な部位が薬用として用いられている植物です。『神農本草経』では「枸杞」の名で上品に収載され、「久しく服すれば筋骨を堅くし、身は軽く老いず」とされています。『名医別録』には「冬に根を採り、春夏に葉を採り、秋に茎と実を採る」との記載があり、様々な部位が用いられていたことがうかがえます。成熟し、乾燥させた果実は「枸杞子」と称され、補気・強壮薬として用いられるほか、食用としても広く利用されています。芯を除いた根皮は「地骨皮」と称され、清熱薬として用いられています。「枸杞子」と「地骨皮」はいずれも『第十八改正日本薬局方』に収載されています。また、葉は「枸杞葉」と称され、『日本薬局方外生薬規格 2022』に収載されています。
『一般用漢方製剤製造販売承認基準』に収載されている 294 処方の中では、枸杞子は杞菊地黄丸に、地骨皮は清心蓮子飲に配合されています。杞菊地黄丸は地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮の六味丸に枸杞子、菊花を加えた 8 種類の生薬で構成されています。枸杞子は滋補肝腎の作用をもち、菊花とともに目の症状の改善に働きます。清心蓮子飲は蓮肉、麦門冬、茯苓、人参、車前子、黄芩、黄耆、地骨皮、甘草の9 種類の生薬で構成されています。地骨皮は虚熱を冷ます働きがあるため、黄芩とともに清熱の働きをしています。パソコンやスマートフォンの使用の増加により目の不調を訴える方は多く、また、精神的な要因による尿トラブルは年齢にかかわらずお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。目の使い過ぎによるドライアイ、眼精疲労、充血に杞菊地黄丸、胃腸の弱い方のストレスなどによる膀胱炎様症状に清心蓮子飲をぜひご活用ください。(コタロー通信)

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