秋が深まり、風邪やインフルエンザが気になる季節です。
今年は特にインフルエンザが流行とのことです。
こうした感染症には、日頃から体調を整えて免疫力を上げていくことが重要です。
そもそも「免疫力」って…
免疫は細胞やウイルスから体を守るシステムで、自然免疫と獲得免疫に分けられます。
自然免疫は体内に侵入した病原体に分けられます。
自然免疫は体内に侵入した病原体に最初に対抗する仕組み。
免疫細胞が病原体を記憶し、もう一度同じ病原体が侵入した際に効果的に封じ込める仕組みが獲得免疫です。
一方、感染した病原体を記憶し、もう一度同じ病原体が侵入した際に効果的に封じ込める仕組みが獲得免疫です。
免疫力のほかにも、体を守る仕組みはいろいろあります。
例えば、咳やくしゃみで異物や病原体を排除したり、
鼻水で軌道の粘膜を病原体から守ったり。
また、気道から入った病原体は胃液によって殺菌され、
皮膚の常在菌にも感染を防ぐ働きがあります。
漢方(中医学)では「衛気(えき)」の充実がカギとなります。
こうした免疫力や身体を守る働きを、漢方では「衛気」とかんがえます。
衛気は病気から体を守るエネルギーで、体表(皮膚や鼻・のどの粘膜)に張り巡らされたバリアのような存在。
また、衛気には体を温める作用があり、これが免疫力アップにもつながります。
このように、衛気が充実していれば身体の免疫力・抵抗力が強くなり、感染症にかかりにくい体質に。また、病気になっても回復しやすく、重症化の予防にもつながります。
漢方では「未病先防(不調が起こる前の対処)」が基本です。日頃からの体質改善で「衛気」の充実した強い身体を保ち、不調が現れたら早めの対処で悪化を防ぐことが重要。
予防(衛気の充実で免疫力アップ)
・脾胃を整える
「脾胃(胃腸)」は飲食物の栄養から「気」を生み出す臓器で、肺を助ける働きも担っております。そのため、脾胃が弱くなると肺の働きにも影響し、結果衛気を十分に養えず、感染症にかかるリスクも高くなることになります。脾胃は冷えに弱いので、飲食物は暖かいものを。元気な脾胃でしっかり栄養を取り、気を十分に養いましょう。
生姜、カボチャ、豚肉、大豆製品、山芋、しそ、ミカンの皮などは胃腸を整えますのでお勧めです。
・肺を強くする
肺は衛気の源となる「気の生成と深くかかわる臓器。また、邪気の侵入経路となる鼻やのど、皮膚の状態とも密接に関係しています。そのため、肺の機能が弱いと衛気も不足しがちで、邪気の侵入儲けやすくなります。気になる症状がある人は、乾燥に弱い肺の潤いを守り身体を温めることを心掛けましょう。
きのこ、葛、蜂蜜、大根、白ごま、などは「肺」を強くしますのでお勧めです。
・血を養う
血には体に栄養や潤いを与え、精神を安定させる作用があります。そのため、不足すると全身の栄養状態の悪化、ストレスによる自律神経の乱れなどを招き、免疫力の低下につながります。女性は血不足を招きやすいため、食生活に気を配り、血をしっかり養う心がけを。また、日々のストレスをためない工夫も大切です。
棗、鮭、人参、ホウレンソウ、牡蠣などお勧めです。
・腎を強くする
腎は生命エネルギーの源を蓄え、五臓六腑の根本を支える臓器。そのため、腎が弱いと全身の虚弱にもつながり、「衛気」も不足がちになります。腎は加齢とともに衰えるため、年齢を重ねたら積極的に養生を。また、冷えは腎の大敵なので、寒い季節はしっかり身を温めることが大切です。
クコのみ、くるみ、山芋、エビ、羊肉などは体を温めるのでお勧めです。
不調を感じたら・・・
初期症状の対処法
かぜやインフルエンザかなと感じたら、早めの対処で悪化の予防を。まずは体内の邪気を発散させて、症状を和らげましょう。体内の「湿」を取り除き、脾胃の働きを整えることも重要です。
重症化しやすい人は早めの医療機関の受診も必要です。