男性の7人に1人、女性では15人に1人!
国民病になりつつある尿路結石・胆石
2005年の疫学調査では、男性の7人に1人、女性では15人に1人が一生一度は尿路結石にかかるとされ、胆石の保有者は厚生労働省によると1000万人以上(人口の約10%)と推定されており、国民病ともいえる状況になってきています。
また尿路結石、胆石共に再発率が高いため、治っても規則正しい生活をすることが大事です。
尿路結石:腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる病気で、結石がある部位によって、腎結石・尿路結石・膀胱結石・尿道結石に分類されます。尿路結石は泌尿器科では最も頻度の高い病気の一つです。尿路結石は突然の大変強い痛み(疝痛)や血尿を伴うことが特徴で、この症状は夜間や早朝に起こることが多く、通常3から4時間持続するとされています。
胆石:胆汁が通り道で、何らかの原因で固まってしまったものです。胆石ができる場所によって、胆のう結石・総胆管結石・肝内結石に分けられています。このうち症状が出やすいのは総胆管結石で、総胆管から十二指腸へ出口に結石が詰まると、上腹部に激痛を感じます。一方、胆のう結石や肝内結石であまり痛みが出ないのが特徴です。
尿路結石・胆石によく使用されている漢方薬、民間薬に
連銭草(れんせんそう)と裏白樫(うらじろがし)があります。
連銭草(れんせんそう)(シソ科の多年草のカキドオシの全草)・・・漢方では清熱(抗炎症)・利尿などの作用があるとされ、浮腫みや排尿障害などに使用されています。
裏白樫(うらじろがし)(ブナ科の常緑高木の葉)・・・徳島県や和歌山県に多く見られる樹木で、徳島地方では昔から尿路結石や胆石などの民間薬として知られていました。特に尿路結石には連銭草(れんせんそう)と併用するとよいとされています。
石流茶には連銭草(れんせんそう)と裏白樫(うらじろがし)が配合されている健康食品のお茶です。
尿路結石・胆石も、その予防は食事生活習慣を改善することが必要です。
尿路結石・胆石の養生
尿路結石の予防には衆参が多く含まれる食品を取り過ぎないこと、野菜・海草・青魚・などのクエン酸、カルシウム、マグネシウムなどを含まれている食品を適度に取ること、バランスのとれた食事をとり、規則正しい生活をすることが大切です。特にカルシウムは、結石の原因となるシュウ酸と結合して、シュウ酸を便から排出することを促すため、積極的とることをお勧めします。
また、胆石はコレステロールを主成分とするものが多いことから、脂っこいものやアルコールはコレステロールを増やすので、控えめに。胆石の予防には食物繊維が多く含まれている食品を多く摂ることが大切です。食物繊維は十二指腸で分泌されたコレステロールを包み込んだ胆汁酸を吸着し、そのまま体の外に排出する働きがあるとされています。
連銭草(れんせんそう)(シソ科の多年草のカキドオシの全草)
身近な薬草カキドオシのお風呂であせも予防&リラックス
4から5月ごろ、土手や公園の日当たりの良い場所で淡い紫色のラッパ状の花を咲かせた植物を見かけます。花の大きさは2cmほどで、近づくと花びらの先がヒト型に分かれて見えます。高さは膝よりも低く、葉は3cmほどのギザギザとしたうちわのような形で左右に揃って生えており、葉をもむとハッカのような香りがします。この植物の名前はカキドオシ。シソ科の植物で、垣根を通り越してしまうほど伸びる、垣根通し(かきねどおし)が名前の由来です。昔から子供の疳(夜泣き、かんしゃくなど)を治す民間薬として用いられるほか、お茶にして飲むと尿の出を良くする働きがあるとして膀胱炎・尿路結石の予防にも使われてきました。
薬草風呂としては、あせも・湿疹も予防、神経痛の緩和に用いられます。開花期に根元から刈り取って、乾燥させて細かく刻んだら、布袋に入れて湯に浮かべます。手軽に楽しみたい方は、お店でも購入することが出来ます。スッキリとした香りでさわやかな気分にさせてくれます。