菊は、50 円玉硬貨やパスポートの表紙、皇室のシンボルにもなっている花であり、
日本において広く愛されている花です。
古来より不老長寿の霊花とされ、観賞用、食用としても利用されます。
五節句の一つである重陽の節句は、菊の節句とも呼ばれ、無病息災を祈り飾る花にも菊が飾られます。
菊花は、『神農本草経』の上品に収載され、目の充血やかすみ目、頭痛を治すのに用いられます。『日本薬局方』には、
キク科のシマカンギク Chrysanthemum indicum Linné
又はキク Chrysanthemum morifolium Ramatuelle の頭花であると規定されています。
シマカンギクの花は一重で、キクよりも小さく苦いことが特徴で、
コタロー漢方ではシマカンギクを基原とする菊花を使用しております。
キク科の花は、小さな舌状花及び管状花(筒状花)が集まったものであり、この部位が頭花となります。菊花にはフラボノイドが多く含まれており、主成分であるルテオリンが確認試験の指標成分とされています。
漢方処方において菊花が主に炎症を鎮める働きを担うことは、ルテオリンに抗炎症作用があることからも示されています。
菊花は、『一般用漢方製剤製造販売承認基準』に収載されている
294 処方中 5 処方(滋腎明目湯、杞菊地黄丸、清上蠲痛湯、洗肝明目湯、釣藤散)に配合されています。
洗肝明目湯では、蔓荊子、決明子、蒺藜子とともに目の炎症を抑え、薄荷との組み合わせで目の熱を去る働きがあります。
原典の『万病回春』には「一切の風熱、赤腫、疼痛するを治す。」とあり、炎症による目の充血、痛みに用いられます。
テレビやパソコン、スマートフォンなど、近年、画面を見る機会が多いことから、目が疲れることも多いと思います。目の充血や痛みがある方に、洗肝明目湯「コタロー」がおすすめです。(コタロー通信No444)